1.いざ雄英へ頭の中の未来フィルム.1
あれから半年。憂無は青革手帳に要点をまとめ、赤革手帳に毎日を綴っていた。もう、受験の季節である。憂無は珍しく次の日の夢ではなく、先の時間軸の──雄英高校受験結果を見た。結果、ヒーロー科は落ち──別の高校へと行く夢であった。憂無は慌てて天哉の母に話しに行く。
「おばさん、おばさん!!」
「どうしたの? 憂無」
それが……と、憂無は雄英の普通科も受けたいという旨を話した。
「いいけれど……急に、どうしたの?」
「いや、別に……ただ、予防線を張っておきたくて……」
天哉の母は快く普通科への受験を許してくれた。憂無はこれで安心して受験勉強が出来る。そうホッとしたのも束の間、すぐにその日は来る。
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