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    benidayo012

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    benidayo012

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    続くかもしれない。

    スパム㌧教師パロ クリスパ 幼い時からずっと私は同じ夢を見続けている。
    ひどく高揚した気分で宙に浮く私が見下ろした先には見知らぬ三人組がおり、私を睨みつけている。
    そこで私は気づく。
    私は空を飛んでいるのではなく、ケーブルにがんじがらめにされ操り人形のようにぶら下がっているのだと。
    彼らは次々と私に絡まるケーブルを切り落とし、ついに私は自由になる……



    「……」
    目覚まし時計が鳴るより早く目を覚ました私はベッドから起き上がると流れ作業のように朝の支度を開始する。
    顔を洗い、歯を磨き、着替え、簡単な朝食を取り、新聞を読み、テレビで天気予報を観ると私は家を出る。
    引っ越してきたばかりの土地は視界に入る何もかもが新鮮だ。
    木々も人々も目新しく感じる。
    私は自然に早足になり、柔らかな風を受けながら新しい職場に向かった。



    「今日からこの学校デお世話にナルスパムトン・G・スパムトンdeath。皆3、よろしくオ願いレマス」
    生徒たちの好奇心の籠った目が私に集まり、小さく拍手が起こる。
    私は生徒たちの顔を見渡す。
    こちらをじっと見つめる者、隣の席の生徒とひそひそと何か話す者、興味なさそうに窓を見ている者……
    一人の生徒の視線とかち合った。
    視線同士がかち合った後も彼は前髪の隙間から覗く目を私に向け続けており、私の方が先に目を逸らす。
    妙に心臓がドキドキする。
    原因のよくわからない動悸にクエスチョンマークを浮かべながら私は教科書を開いた。
    「早速deathが授業を始めマショウ」



    上には澄み渡った青空、眼下にはどかな町が広がっている。
    高いところ全般は好きだ。
    鳥になった気分……とまではいかないが、爽やかな気分になれる。
    屋上でサンドイッチを頬張りながら私は優雅な昼休みを過ごしていた。
    日差しは暖かく、穏やかな風は優しく頬を撫でる。
    (昼寝場所には最適だな)
    私は目を閉じてみる。
    とても心地よく落ち着いた気分だ。
    ずっとここにいたい……時間が止まればいいのに……
    「先生」
    ふわふわと漂っていた意識がその声で引き戻され、私は振り向く。
    「先生、こんにちは」
    「あ……あぁ……こんにちハ」
    あの少年だ。
    野暮ったい前髪で目を隠した、私を見つめていた少年。
    「屋上、いいですよね。鳥の気分になれる」
    ゆっくりとした歩みで彼は私に近づいて来る。
    彼を見た途端また心臓がうるさく鳴り響き、私は唾液を飲み込んだ。
    どうして彼を見るとこんなにも心がかき乱されるのか。
    「先生、どうしました?顔色が悪いですよ」
    私の目の前にやってきた彼は掌を私の胸に置き、微笑を浮かべる。
    何か言わなければいけないのに、声が出ない。
    口の中がカラカラだ。
    「先生」
    彼の腕が、私の背中にまわされ。
    「会いたかった」
    その刹那、静けさを裂くチャイムの音。
    「もう、お昼休ミハ[[終ワリ]]ましたよ。ワタ94もいかなければ……」
    彼を柔く押しのけ、私はまだ鳴り響いている心臓と共に校舎内に続く扉に向かう。
    「キミも……早く戻ったホウがいい」
    ドアノブを握り、扉を開けた私は伺うように彼の方へ振り返った。
    突如、強い風が吹く。
    彼の前髪がふわりと靡き、私を捉えた目が露わになった。
    射抜くような目だ。
    彼の目を、私は綺麗だと思った。
    「すぐに行くよ、先生」



    その後、彼のいるクラスとは違うクラスの授業を終え、職員室で雑務を終えると、窓の外はすっかり暗くなっていた。
    「お先ニ[[上ガリ]]マsu」
    カバンに書類と教材を詰め込み、私は他の教師たちに挨拶し、職員室を出る。
    そして誰もいない廊下を進み、職員用の玄関を出ると校舎を後にする。
    星の瞬く夜空を見上げると満月が私を照らしていた。
    しばらく月を見上げていた私はカバンを持ち直し、再び歩を進める。
    そういえば月は太陽に照らされて輝いているんだっけ。
    私はふいにそのことを思い出し、やはり月の夜空より太陽と青空の方が私は好きだな、と頭の片隅でぼんやりと考えた。



    「皆3、[[おはよう]]ございまsu」
    生徒たちは口々に挨拶を返し、私は教卓に教科書を広げる。
    今日は例の彼のクラスで授業をする。
    ちらりと横目で彼を伺うと、私の方を向いたまま微動だにしない。
    ……彼の何をそんなに私は気にしているのだろう。
    授業に集中しなければ。
    私は一つ咳払いをし、黒板に身体を向けた。



    今日も私は屋上で昼食をとっていた。
    昨日より少し雲の多い空を見上げながらフルーツサンドイッチを齧る。
    この雲の量なら、明日は雨だろうか。
    「先生」
    びく、と思わず肩を震わせ、声の主の方に私は振り返る。
    聞き覚えのある声。
    「先生、やっぱりここにいた」
    やはり彼だ。
    「美味しそうですね、それ」
    彼はいつのまにか振り返った私の目の前に陣取り、私を見上げていた。
    「キウイが入ってるんですね」
    彼は私の持っているサンドイッチを視線を移し、予備動作もなしに食べかけのサンドイッチにかぶりついた。
    突拍子のない行動に唖然とする私を他所に彼は自身の口の端についたクリームを舌で舐め取り、咀嚼していたサンドイッチを飲み込むと、にっこりと笑う。
    「ごちそうさまでした」
    「ア……ハイ……」
    「そういえば先生……僕の名前知ってるよね?」
    「え、と……タシカ……クリスクン……」
    「正解」
    彼は……クリスは悪戯っぽく微笑むと私の身体にぐっと自身の身体を近づけた。
    心臓が跳ね、こめかみに汗が流れる。
    ……頭が痛い。
    「先生……覚えてる?覚えてるよね?僕のこと」
    「何を……言っテ……」
    私とクリスは昨日会ったばかりだ。
    覚えている?
    一体何のこと……
    「先生を自由にしてあげたのは僕なのに。ねぇ、スパムトン」
    クリスの声が頭の中をぐるぐると回る。
    頭が割れるように痛い。
    自由……自由?
    クリスが私を、自由に。
    「思い出して」
    痛い痛い痛い……
    脳裏にフラッシュバックのように映像が細切れに浮かぶ。
    見知らぬ三人。
    私に絡みつくケーブル。
    ……これは、いつも見る夢?
    「僕が自由にしてあげたことを」
    ケーブルが切られていく。
    私をがんじがらめにしていたケーブルが。
    そしてついに最後の一本が切り落とされる。
    彼の手で。
    クリスの手で。
    「……クリスサマ……?」
    わかった、わかってしまった。
    彼は。
    「やっと思い出してくれた」
    クリスの両手が私の頰を包み込む。
    とても暖かくて、とても心地よい。
    クリス、私のただ一人の友達。
    ……いや、違う、私は教師で、彼は生徒で。
    わからない、わからない、わからない。
    いや、わかっている。
    心の奥底が叫んでいる。
    彼を狂おしいほど求めている。
    「クリスサマ……クリスサマ……!ワタ94は……!」
    「スパムトン……やっとだ、やっと僕は……」
    私はクリスの背中に腕を回す。
    クリスも私の背中に腕を回し、強く抱きしめる。
    溶けてしまいそうなほどの多幸感。




    「[[アnタ]]ニ会えた」
    「キミに会えた」
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