途中思えば自分もずいぶん間抜けで、くだらなくて面倒だと思っていた人間たちとそう変わらない。
一緒にいて楽しくて、ずっとそばにいたくて、遠くで泣いて欲しくなくて、自分だけを見てほしかった。
その理由を考えることを避けていたのは、答えに気づくのを恐れていたからかもしれない。
自分をこうする理由に名前をつけてしまったら、友達でいられなくなる気がして。でも、数多くいる玲王の友達のうちの一人にはなりたくなくて、矛盾していた。
それで逃げて、でも玲王からは離れたくなくて、遠回りしてしまった。
一緒にいて楽しかったから、ずっと一緒にいたかった。
ずっとそばにいたかったから、玲王と同じを選び続けた。
そもそも玲王が悲しむようなことがあること自体あってほしくはないけれど、せめて遠くで、自分の知らないところで泣かないでほしい。
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