残酷な理解「どう?動ける?」
テライが僕の手を握る。
僕はベッドから腰を持ち上げて、震える足に力を込める。
冷たい床にしっかりと両足を付いて、できるだけ自力で立てるように体のバランスをとる。
ほとんど痛みはない。これなら動けそうだ。
「うん。大丈夫、歩ける」
よかった、と胸を撫で下ろすテライが、僕に目線を合わせてしゃがむ。テライの目はとても綺麗で、すごく優しくて。
カトラに、よく似てる。
……………カトラ。
お別れになってしまった。ちゃんと挨拶もできなかった。
あんな形でお別れなんて、全然納得いかない。
お礼も、謝るべきことも、何も出来なかった。
僕は涙を零す。
やるせない気持ちと行き場のない寂しさが、ズキズキと僕の心を刺してくる。
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