Recent Search
    You can send more Emoji when you create an account.
    Sign Up, Sign In

    asa

    @asagohan_perori

    ☆quiet follow Yell with Emoji 💖 👍 🎉 😍
    POIPOI 8

    asa

    ☆quiet follow

    ※女装してます※

    地雷系なチェさんと量産型モさん

    Tap to full screen (size:1725x2362).Repost is prohibited
    ☺💯💯💯💗☺☺💯👏👏👏🙏❤💯👍👍
    Let's send reactions!
    Replies from the creator

    recommended works

    高間晴

    DOODLEチェズモク800字。年下の彼氏のわがままに付き合ったら反撃された。■月と太陽


    「あなたと、駆け落ちしたい」
     ――なんて突然夜中に年下の恋人が言うので、モクマは黙って笑うと車のキーを手にする。そうして携帯も持たずに二人でセーフハウスを出た。
     助手席にチェズレイを乗せ、運転席へ乗り込むとハンドルを握る。軽快なエンジン音で車は発進し、そのまま郊外の方へ向かっていく。
     なんであんなこと、言い出したんだか。モクマには思い当たる節があった。最近、チェズレイの率いる組織はだいぶ規模を広げてきた。その分、それをまとめる彼の負担も大きくなってきたのだ。
     ちらりと助手席を窺う。彼はぼうっとした様子で、車窓から街灯もまばらな外の風景を眺めていた。
     ま、たまには息抜きも必要だな。
     そんなことを考えながらモクマは無言で運転する。この時間帯ともなれば道には他の車などなく、二人の乗る車はただアスファルトを滑るように走っていく。
    「――着いたよ」
     路側帯に車を停めて声をかけると、チェズレイはやっとモクマの方を見た。エンジンを切ってライトも消してしまうと、そのまま二人、夜のしじまに呑み込まれてしまいそうな気さえする。
     チェズレイが窓から外を見る。黒く広い大海原。時 818

    高間晴

    DOODLEチェズモク800字。眠れない夜もある。■インソムニア


     同じベッドの中、モクマはチェズレイの隣で寝返りをうつ。
    「眠れないんですか?」
    「なんか寝付きが悪くてな。……寝酒でもするか」
     起き上がろうとしたモクマの肩を押し止める。薄暗がりの中でプラチナブロンドが揺らめいた。
    「寝酒は体によくありません。それだったら私が催眠をかけて差し上げます」
    「えっ」
     モクマは少しぎょっとする。これまで見てきたチェズレイの催眠といえば、空恐ろしいものばかりだったのだから。するとそれを見透かしたようにアメジストの瞳が瞬いて眉尻が下がる。今にも涙がこぼれ落ちてきそうだ。――モクマはこの顔にたいそう弱かった。
    「モクマさん……私があなたに害のある催眠をかけるとでも?」
    「い、いやそんなこと思っちゃおらんけど……」
     言われてみれば確かにそうだ。この男が自分にそんなことをするはずがない。
     しなやかな手によって再びベッドに背を預け、モクマは隣に横たわるチェズレイと目を合わせた。
    「目を閉じて、ゆっくり呼吸してください。体の力を抜いて」
     穏やかな声に、言われるとおりにモクマは従う。
    「想像してください。あなたは果てのない広い草原にいます。そ 854

    高間晴

    DONEチェズモクワンライ「温泉/騙し騙され」。■とある温泉旅館にて


    「いや~、いい湯だったねえ」
     浴衣のモクマが同じく浴衣姿のチェズレイの隣で笑う。
     ここはとある国の温泉旅館。最近チェズレイが根を詰めすぎなのを見かねたモクマが、半ば無理矢理に休みを取らせて連れてきたのだ。
     それでもチェズレイは少しうつむいて、晴れない顔をしている。
    「すみません、私のせいで足湯しか入れなくて」
    「いいのいいの。この旅行はお前さんのためなんだから」
     ひらひら手を振りながらモクマが笑う。
     チェズレイの潔癖症は一朝一夕で治るものではないとわかっている。足湯に入れるようになっただけでも大進歩だ。
    「なんならおじさんは、お前さんが寝た後にでも大浴場に行けばいいし」
     ここの温泉はアルカリ性単純泉で、肩こりなどに効果があるほか、美肌にもよいとされている。部屋にも源泉かけ流しの家族風呂がついているところを選んだので、チェズレイは後でそこに入ればいいだろうとモクマは考えた。
     そこでチェズレイがモクマの浴衣の袂を掴んで引っ張る。顔を上げれば、度々モクマにだけ見せる、『お願い事』をするときの顔をしている。
    「モクマさァん……ここまで連れてきておいて私を 2758