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    reiraaa0112

    @reiraaa0112

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    reiraaa0112

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    玄米卵さんのミカエル憑依アダムが最高すぎて……!!!
    許可を頂いたので短いですが書いてみました…!

    ミカエル口調捏造、ルシファーちょっと女々しいです

    幸せ『ルシファー。』


    自分を呼ぶ声。
    昔に天国に置いてきた半身。
    そして私を地獄に叩き落とした


    私の兄。



    「はぁ…………。夢見が悪い。」
    夢見が良かったことなんて地獄に落ちてからなかったが。
    兄の声を聞くのは久しぶりだった。

    心地よくて不愉快な声。
    二度と私に話しかけないで欲しい。

    夢の中に唾を吐き、重たい身体を起こした。


    「ルシファー?起きたのかー?腹減ったからなんか作ってくれー。」

    ノックもなく寝室にはいりベッド脇に来るアダムは私の恋人だ。
    元妻の元夫とこんな関係になるなんて……。
    人生は何があるかわからない。

    「はぁ………お前は、少しは自分で作ろうとか思わないのか…いや、いい。キッチンを爆発させられても困る。」
    「なんで私が失敗すること前提なんだよ。」
    「出来るのか?」
    「うぐ………出来ない………。」
    なんとも最後の言葉は小さく弱々しい。
    ぐしゃぐしゃとアダムの頭を撫で、キッチンへ向かった。


    ***


    「しまった………。」
    今朝の夢がどうにも引きずっていて。
    気づいたらフライパンには真っ黒のパンケーキ。

    「なんか焦げ臭くないか?」
    「………焦げた。」
    「ははっ!!お前でも失敗するんだな!」

    作り直す。とパンケーキを捨てようとしたら勿体ないだろう、と表面の焦げたところをフォークで削り取るアダム。

    「ほらこれで食える。食べ物は無駄にしてはいけない。主からの教えだ。」
    「………そうか。」
    「?どうした?何かあったか?」

    元気の無い私を気遣ってか、顔を覗き込むアダム。
    ぼんやりとアダムを眺め唇を奪ってやる。

    「!?」
    「はは、油断しすぎだ。」
    「~~~!恥ずかしいことしてんなよ!ジジイ!」

    真っ赤な顔で実は嬉しかったですとありありと顔に書いてあるこいつの言葉を無視し、パンケーキ以外の食事も作りテーブルに乗せた。

    「ほら、どうぞ。」
    「ちっ!私がせっかく心配してやったというのに!いただきます!」

    焦げたパンケーキの表面を削りながらもぐっと大きな口で頬張るアダムをただ眺める。

    幸せだ。

    この時間が長く続けばいいと思う。

    そう、願った瞬間、アダムに天使の輪が表れその輪の真ん中に割れ目が出来、そこが開いて青い瞳が表れる。
    アダムの天使の輪は地獄に落ちたときになくなった。

    それが今表れたということは…。

    朝の夢は天啓だったというわけだ。
    堕天使に天啓とは。
    余りにも笑えない冗談だ。


    「…おはよう、ミカエル。」
    「やぁ、楽しくやってるかい?ルシファー。」

    アダムの声を借りてしゃべる男は私の夢に出てきた男で。
    アダムに憑依するとは。

    「どうして、アダムだったんだ?」
    「どうしてって…この子は主が初めて作ったものだからね。憑依しやすいんだよ。それに。」

    手に持っていたフォークを突然アダムの身体に突き立てようとする。
    当たる直前でフォークを魔法で弾き飛ばした。

    「こんな感じで、動かしやすいしさ。」
    「…主が作ったものに軽々しく傷を付けるもんじゃないぞ。」
    「そういうお前だってアダムをぼこぼこにしていたじゃないか。自分は棚にあげるのはよくないと思うよ?」

    エクスターミネーションも見ていたというわけだ。
    この正義主義者がエクスターミネーションを見ていないことのほうがおかしいか。
    あながち、この計画もミカエルが噛んでいたに違いない。

    「で、今日はどのような用向きで?」
    「可愛い弟に会いに来るのは悪い事かい?君とアダムが楽しそうにやってるからどんな感じか見に来たかったんだよ。ほら、アダムが脅されて君と一緒にいるんじゃないかなと思って。正義の天使として無理やりの愛はよくないと思う。」
    「…ずっと見ていたならわかるだろう。」

    わざとらしいごもっともな理由に吐き気がした。
    この男はそんな生易しいものでこんなところまで来るわけがなかったのだ。
    わざわざアダムの身体を借りてまで。

    「ま、そうなんだけどね!2人が仲良くしているのは十分知っているよ。でも…。だめ。今、幸せになるのはいけないことだ。」

    そう、天使はこれでなければ。
    傲慢で、自分がいちばん正しいと思っている。

    私が黙っていると更に話し続ける。

    「君たちは、悪いことをした。ならば悔い改めなければいけない。悔い改めていないのに幸せを、愛を、求めてはいけない。君たちは、まだ、幸せになってはいけない。」
    「まだ、ということは悔い改めたら幸せになっていいと?」
    「それは、主が決めること。悔い改めて2人でまた天国に来ることが出来たら愛し合い、幸せになるといい。まだ地獄にいるうちは、幸せになってはいけない。」

    幸せになってはいけないと呪詛のように語り、アダムの中から消えていった。

    「ん…あれ…?私…なにか喋ってた?」
    「…いや、何も無いぞ。」

    アダムが戻ってくる。
    情報は共有されないようで視線がウロウロと動き状況を把握しようと勤めていた。

    「あれ?私のフォーク………?」
    「ははっ!私の焦げたパンケーキが硬すぎて飛んでいってしまったようだ!」

    新しいものを用意しよう。とぽんとフォークを出してアダムに渡す。

    「さっき、天使様と話すような夢を見たんだよな……。なんだったんだろ。」
    「まだお眠だったか?昨日頑張らせすぎたせいかもしれない。」
    「う、うるさいな!!もういいから!黙って食べろ!」

    別に、夜、大変じゃなかったし…!と顔を赤くしながらパンケーキを頬張るアダムを見て少し安心する。

    いつものアダムだ…。

    「なぁ…アダム、お前は幸せか?」
    「はぁ~?幸せ??そんなわけ…。」

    言いかけで止まる。

    かちゃりとカトラリーを置き、思案しているようだ。
    いつものようによく回る口でそのまま続ければいいものを。

    「…天国と違ってここには娯楽はないし、空気も汚いし、街も汚い。住人はヤク中かセックス狂いか食人鬼。私が天使だとわかったらすぐ犯そうとか食べようとするやつばかりで安心できたためしがない。幸せかと言われたらそうだとはとてもじゃないが言えない。でも…お前のご飯は美味しいから悪くないと思ってる。」

    アダムの言葉に段々と視線が下がっていたが、最後の言葉でアダムの方を向く。
    やっと目が合ったなと言わんばかりににやりと笑ったアダムがつづけた。

    「お前との生活は悪くないと思っている。その…夜も…ふ、不本意だが悪くない。地獄の住人は気持ちが悪いがホテルにいるやつはいいやつも多い。ハスクが作る酒は美味しい。エンジェルと話す時間は新鮮で楽しい。あのまっかっか野郎は何考えてるかわからないから気味が悪いけど。…幸せって感じじゃないけど別に今すぐ天国に帰りたいとは思わないしこの生活が今後またより良いものになればいいなとは、少なくとも思ってる。…何を悩んでいたか知らないが、私がお前の人生を彩ってやろう。」

    任せておけ。

    そういって紅茶をすするこいつに、涙が溢れた。

    「ちょ、お前、ほんと大丈夫か?」

    アダムの服の袖で顔を乱暴に拭かれる。

    「また鬱か?」
    「違う…違うんだ…。でも、涙が止まらない。」
    「はぁ…そういう時は無理に止めようとせず流せばいいんだよ。」
    「っ…!」

    ぼろぼろとこぼれる涙を止めず静かにしていると、止まるのを待つようにアダムは私を見ていた。

    湯気が立っていた紅茶も温かいパンケーキも冷えるころにようやく涙も落ち着いてきた。

    「…落ち着いたか?」
    「あぁ…すまない…紅茶をまた…淹れなおそう。パンケーキもすっかり冷めてしまったな。」
    「パンケーキはこのままでいい。紅茶はミルクティーを淹れろ。そして、飲んだら一緒に寝よう。」
    「今起きたばかりなのにか。」
    「ふふ、ここは地獄だぞ??天国だったら朝ごはんを食べてすぐ寝ちゃいけないけど、地獄はいつ寝てもいつ起きてもいいんだ!じゃぁ!朝ごはんを食べてまた眠ってもいいはずだ!今日は特別に私の子守唄を歌ってやろう!」

    どん、と胸を張っていうこいつに愛おしさが溢れる。

    「…わかった。じゃぁ、曲のリクエストも聞いてくれるか…?」
    「あぁ!今日はお前の為のコンサートを開いてやる!リクエストもなんでも!」
    「そうか、それは。楽しみだ。」

    じゃぁ、早くご飯食べるぞ!とがつがつと行儀悪くパンケーキを腹にいれていた。
    食欲がすっかりと落ちてしまった私は少しだけ、腹にいれ、席を立った。

    寝室に向かおうと踵をかえすと身体がふわりと浮いた。

    「今日は特別サービスだからな。」
    「はは…よろしく頼むよ。」

    子供のように抱かれながら寝室へと向かったのだった。

    END
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