人間灰皿赤い絨毯に赤い壁。
豪華な室内を彩る様々な家具。
それに合わせた調度品が飾られ、素晴らしい部屋である、はずだった。
豪華な棚には大きな傷。
美しい調度品は床に散らばり形を失っていた。
壺は割れ破片が飛び散り、ドールの服は破れ、首がもげていた。
「はぁ………はぁ…………。」
この部屋の主、アダムは手からボタボタと金色の血を流しながら暴れ続ける。
鏡を割り、グラスを床に叩き付ける。
跳ね返ってきた破片で顔や腕に傷をつけたがそれを気にすることはなかった。
「……気は済んだか?」
「気が済む、だと?そんな訳あるか!!私は……!!私は、こんな所にいる存在ではないのに!早く出せ!!私を!!ここから!!!」
テーブルの上の燭台も床にたたき落とし、破壊する。
「出せ、と言うがどこに行くんだ?天国にも帰れないお前が。」
そんな羽ではな。
と指さすアダムの羽は以前の美しさを失い、所々羽が毟られていた。
「っ…!!!」
「自業自得だ。自分で羽を毟って帰れなくなったことも。ここにいることも。私に飼われていることも。そして。」
じゃらり、とアダムの首に首輪が巻き付く。
「これから私に仕置きをされることも。なぁ?アダム。」
***
「あぎ………!ぃ、ぐぅ…!」
ぎちぎちと音を立てながら羽を握られる。
「こんなみっともない羽、あってもなくても同じだろう?」
ぶちり。
音をたてて羽がちぎれた。
「あああああああ!!!!!」
「丁度よかったじゃないか。自分の羽を毟るほど自傷行為がしたかったんだろう?羽をもがれた痛みはどうだ?戒めになっているか?」
「はぁ…あ…ぐぞ…ぐぞやろう…!!!しね…!!!」
「長く生きているくせに、そんなことしか言えないのか。頭を割って脳みそがちゃんと詰まっているか見てみるか?」
ぐ、と頭を掴まれ身体を持ち上げられる。
「ぐ…あぁあ…!!いたい…!!はなせ…!!!」
「せっかく手に入れた玩具を壊す趣味はないのでな。」
ぱ、と頭を離してアダムを開放する。
「は…は…くそ…!」
「天使のくせに本当に口が悪いな。ちゃんと天国でやっていけてたか不安だよ、私は。逆に地獄の方がやっていきやすいんじゃないか?」
地に伏せるアダムの服をたくし上げながら会話をする。
「は…?なにするんだ…!!はなせ…!!このスケベジジイ!!」
足の間にいるルシファーに蹴りを入れるべく足を動かすが簡単に足を取られる。
「どうした?まだ痛めつけてほしいのか?足がいらないか?切ってやろうか。」
「っ…!」
「大人しくしていた方が身のためだぞ。ここを噛みちぎられたくはないだろう?」
長い舌でべろりとアダムのアキレス腱をなめ上げる。
短く悲鳴を上げ、すっかりと大人しくなったアダムに気をよくして下着を脱がす。
「っ、っ…!!」
「怖くて声も出ないか?まぁいい。すぐ声を上げることになるだろうから。」
羽をちぎった後の傷跡をぐちぐちとえぐる。
「っぎいいいい!!!!」
指先に血を纏わせアダムの後孔に指を入れた。
「あっ!!!い、ぎ…!やめろ…!!きも、いんだよ…!!!」
「これが私の優しさだったんだがな。いらないなら仕方ない。」
十分にほぐれてもいないアダムの後孔にルシファーの剛直が当てられる。
アダムは顔から血の気が引き、制止の声を上げるがそれもむなしく無理やり後孔に突き入れた。
「ーーーーー!!!!!」
「ぐ、やはりきついか。緩めろ。」
ぎちぎち、と限界まで広がった後孔は限界を迎え裂け、その痛みでアダムの瞳から涙が零れる。
苦しさと痛みで呼吸を忘れがくがくと身体が震えた。
「アダム、息をしろ。アダム。」
「っ!ひっ...!あぐ…!!」
過呼吸になるアダムの唇に噛みつき、舌を絡める。
酸欠で回らない頭で今の状況を飲み込もうとするがうまくいくはずもなく、ただ、ルシファーにされるがまま、行為を受け入れる。
「ぉ、んぐ…んぶぅ…!」
「はぁ…息を吸って、吐いて。そうそう。」
「ぅ、すう…はぁ…あぐ…うぎぃ…!!いだい…なんで…こんな…!」
「言っただろう、仕置きだと。それにほぐしてやろうと思ったのにお前が気持ち悪いというから。」
だからっていれるやつがあるか、と叫ぶため開いた口からは意味のない言葉だけが零れ落ちた。
「あぁぁ…!ぐるじ…いぃ…!いだ…ぐぅぅ…!」
どちゅ、どちゅとアダムの身体のことを無視し、ルシファーはただ身体を打ち付け、快楽を追う。
いたずらにアダムの背中の傷をえぐった。
「ぎいい!!!ば…うぐぅ…!!いだい…!!ほんと…も、やめ…!あぅぅぅ!!」
「傷をえぐると締まりがいいんだ。」
突き上げながら傷をえぐり、その痛みでアダムは意識が遠のいた。
「っ、…!っ…。」
意識のないアダムを何度も揺さぶり、吐精する。
「ふぅ…。」
孔からペニスを引き抜き、アダムをベッドに寝かせる。
ぴくぴくと痙攣するアダムを愛おしく眺め、目覚めるのを待った。
***
「ん…。」
「おはようアダム。」
ぷかり。
紫煙を吐きながらアダムを見る。
「くそが…!!この!!強姦魔…!!!」
「ひどい目に合わされてまだそんなことを言えるか。」
うつ伏せで動くことが出来ないアダムの背中の傷にとんとん、と煙草の灰をおとす。
「ぎっ…!!てめぇ…!!」
「さて…。そろそろお前はもうすこし利口にならなければならない。ここで、私の機嫌をまた落としたら、次こそ排泄ができなくなるぞ?」
煙草を持つ手でするりと尻を撫でた。
火のついた煙草が尻に触れ熱を伝える。
「あつ…!危ないからそれ、置けよ!」
「…あいにく、この部屋には灰皿がなくてな。お前が全て壊してしまった。」
床に散乱するガラス片の中に灰皿らしき物が転がっていた。
「で、だ。償いとしてお前が灰皿になるというのはどうだ?」
「は?頭がわいたか、ジジイ。」
「…無理やり、お前のことを灰皿にしてやってもいいんだぞ?その自慢のちんこで火を消してやろうか?」
アダムを仰向けに転がし、そのペニスへ煙草を近づける。
「ひっ…!!わかった…!言うとおりに…!するから…!!」
「最初からそういえばいいんだ。」
さぁ、両手を出して。
ルシファーの前に両手をだす。
満足そうに笑うルシファーはその手にぐり、と煙草を押し付け火を消した。
「ぎぃ…!」
あまりの熱さに悲鳴が上がる。
「使ってもらったら?ありがとうございますだろう?」
「あ…りがとうご、ざいます…!」
ぎり、と唇を噛んで悔しさに耐えるアダム。
噛んだ唇からは血がにじんでいた。
「よくできました。今後、壊したものの償いをお前がするということでどうだ。椅子、燭台、ドール、壺。沢山壊したなぁ。今日で灰皿の償いは終わり。明日は私の椅子になってもらおう。明後日は燭台。その次はドールになってもらおうかな。」
毎日やることがいっぱいだなぁ。アダム?
楽しそうに笑うルシファーに何を言っているか理解できなくなり、ぐるりと目が回った。
「気絶したか。全く、人間は本当に脆いな。」
だが、それが美しく、愛おしいのだ。
明日からもアダムと遊べることが嬉しくて、2本目の煙草に火を付けながらふんふん、と鼻歌を歌った。
END