結局みんな狂ってるそれは本当に気まぐれに、断ろうと思えばいくらでも理由はあったのに。
仕事が忙しいとか、娘の事業を手伝わないといけないだとか、天国の会合が忙しいとか。
色々あったんだ。
しかし、それは本当に、本当に魔がさして、出向いてしまった。
「よくお越しくださいました」
へこへことこびへつらい手で胡麻をする支配人にはぁ、とため息を着いた。
いつもならこんな低俗な悪魔の元になど来ない。
毎週届くラブレターのような封筒を毎週ランプの種火としてくべていたのに。
この日はつい、手紙を開けてしまった。
美しいものがあるので来てほしい。
なんて書いてあり、この地獄に美しいものなど何もないというのに。どういったものなのかほんの少し興味が沸いてしまった。
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