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    neko7575yuki

    ドラヒナだったりヒューエデだったりスネ6♀だったりを描いてる男女CP好きな妖怪の画像置き場だよ。エッチなのもあるよ。
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    neko7575yuki

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    フロ←整備士長夢主のお話を書いたの…でも半分くらい閣下とOFの話してる…。閣下が前に4脚乗ってたのは捏造です。2脚4脚の協働運用説を閣下にも適用してます。

    第三整備士長のお話、オープンフェイス編アーキバスに入社してよかった、と私は心の底から思った。何故かというと目の前にあるまさに最新型のACの整備をさせてもらえたから!です!
    目の前に鎮座する重厚な黒と紫のペイントが落ち着いた輝きを放つACの名前はオープンフェイス。強化人間部隊ヴェスパーの第二隊長スネイル閣下の専用ACだ。
    各パーツは惑星封鎖機構の強力な執行機に対応すべく作られ、アーキバスの先進技術の髄を詰め込んだ一式。防御、積載面に優れた、まさに重量2脚のお手本といっても差し支えないACなのです!

    「第三整備長。最終リストのチェックは済んだのですか?」
    「ひゃ、はい!スネイル隊長!」

    私は突然の呼びかけに、返事を盛大に噛んで答えてしまった。振り向くと、ヴェスパー第二隊長・スネイル隊長が壁のように立ちはだかっている。高身長かつ、体格の良いスネイル隊長は眉間に深いシワをまた余計に刻みながら、メガネ越しに私を呆れて見ている。本人も重量級でやっぱり圧が怖い…。

    しかし、普段は神経質そうでいかにも後方での作戦参謀が専門です、といった見た目とは裏腹にACとアセンは前線向けのものだ。
    アーキバスを象徴するEN武器をふんだんに搭載、離れた相手をレーザーライフルやプラズマミサイルでAPを削り取り、左腕のレーザーランスで一気に距離を詰め、相手のACを貫いてスタッガーを狙う。高威力のレーザーキャノンまでついているので、これを食らうACのことを考えると気の毒で仕方がなくなる。それを短期間で自在に操っているのだからV.Ⅱの実力は過大評価でもなんでもない。本当に強い人なんだ。この人は。

    そしてこのアーキバス・ルビコン3支部の指揮も半分近く彼が担っている。天は一人に二物も三物もなんなら十物与え過ぎだよ〜!とどこかでみた昔の猫のgif画像のようになってしまう。
    しかし、そうでないとV.Ⅱなんて肩書きは手に入らないのだろう。パイロット適性が皆無でAC部隊配属の門を閉ざされてしまった私とは月とスッポンだ。ACに対する知識と実家が工場だったおかげで整備士への配属になったのは不幸中の幸いだったけど…。

    そう、私は本当はACパイロットになりたかったのだ。

    「本日はテストとはいえ、実戦を想定したものです。貴方は社会科見学の児童ではないのですから、その様な浮かれた態度では困ります。アーキバスの社員として相応しい振る舞いをとりなさい」
    「…はい…すみません…」
    「あんまり言ってやるなよ、スネイル」

    しおしおになりながらスネイル隊長のお叱りを受けていると聞き慣れた足音が聞こえてくる。上階から降りてきたのはフロイト首席隊長だった。

    「フロイト」
    「久しぶりの実機テストだって言うのに、オープンフェイスの前でお小言言ってたらこいつのやる気も下がるだろ」
    「ACに耳がついているとでも?」
    「ただの鉄の塊とは違う。意外と繊細なんだぞこいつらは。…それじゃ、俺は上で見てるから、楽しんでこいよ」

    理解できないと言わんばかりのスネイル隊長は舌打ちをしてからオープンフェイスのコアへと向かった。この二人は仲が悪いように見えて息はあっているという不思議な人たちだ。

    総員の配置準備を告げるオペレーターからアナウンスが響く。私もテストの状況を見るために上階へ。モニターが設置されている区画に移動する。するとフロイト隊長が私の隣にどっかりと座った。心臓がばくばくと跳ねる。

    「オープンフェイスのアセンどう思う?」
    「え…と、正直なところスネイル第二隊長閣下があの様な中近特化のACに乗られるというのはびっくりしました…以前は4脚に乗られていたとのことでしたから」
    「あいつ、実は出たがりなんだよ。支援向きじゃない。俺は前線に出てる方が面白いアイツが見られるからよかったなと思う」
    「はあ…」
    「今のところ、俺についてこれるのはスネイルだけだからな」
    フロイト隊長はポケットに入った古いタイプの板ガムを口に放り込んだ。いるか?と私にも差し出されたので、恐縮しながらありがたく頂戴した。もったいなくて食べられない…。

    「でも最近は面白い奴を見つけた。レイヴンだ」
    「あの…白い軽量2脚の…」
    「みたことあるか?あいつのAC」
    「ええ、バンカーで…でも戦闘記録はまだ」
    「見てみるといい、面白いぞ。4番に動きは近いが癖がすごい。簡単には捕まえられない動きだ」

    そう話すフロイト隊長はキラキラと輝いて見えた。
    4番はたしか、ラスティ第四隊長だ。
    フロイト隊長は、人のことをあまり覚えていない。たぶん興味がないのだろう。ヴェスパーを番号で呼ぶし、隊員もACを名指して呼ぶことが多かった。
    彼が4番と言ったラスティ隊長の機体、スティールヘイズは相手を撹乱することに優れた軽量特化のACだ。エンブレムに刻まれた狼の狩りの様な動き方はシュナイダーACの動きにふさわしい。それに近く、かつ癖のある動きとは一体どんなものなのだろう。すごく気になる。

    「フロイト隊長は本当にACがお好きなんですね」
    楽しそうに話す彼に、私の声も弾んでしまった。

    私がここ(アーキバス)にいるのは、この人に憧れたからだ。
    ヴェスパーが強化人間部隊であるにも関わらず、彼はその体を一つたりともACのために強化していない。己の、本来の肉体だけでACを動かし、戦っている。あらゆるアセンを組み合わせ、試しつくす、千変万化のその戦いぶりは、一秒たりとも目が離せない、息を呑むほどに苛烈で奇抜で美しくて、格好が良かった。
    たしかに彼は天才で狂人だ。それでも彼は、真人間ながら、己の努力だけでその力を勝ち取ったのだ。そんな彼に、私は憧れてしまった。諦めてしまった私の夢を、勝手に彼に重ねている。それでも、彼はパイロット適性が全く無かった私の、希望だった。

    彼らヴェスパー部隊の乗るACを最高のコンディションに整えることが、私の使命になった。彼らの仕事が全う出来るよう、必ず帰って戻ってくるように祈りながら。

    「お前も好きだろ?AC」
    「え…」

    隊長の一言で現実に引き戻される。
    フロイト隊長の顔が目の前にあった。ほぼゼロ距離で見つめられて、心臓が飛び出そうになる!

    「楽しそうに弄ってるじゃないか」
    「い、いや…!それは…お仕事!なので!!」
    「そうか」

    フロイト隊長はなんでもないように腕を頭の後ろに組み直して椅子にもたれかかった。
    冷や汗がだばだば出る。この人は距離感が何処かおかしいんだった!あんな風にされたら、勘違いしてしまう。おそらくこの人は、私の名前すらわかっていないだろうに!
    私は持っていた薄型端末で無理やり仰いで、火照った顔を冷まそうとした。

    「パイロット、接続確認。システム、異常なし」
    「各ユニット、配備完了」「第四ゲート、開け」
    「各位、準備はよろしいですね?それでは、始めます」
    スネイル隊長の号令から、実機テストが始まりを告げる。ごうんと音を立ててオープンフェイスがゲートへと送られていく。

    「はじまるぞ」
    「……、はい」

    (ただのテストだけど、頑張ってねオープンフェイス)と心のなかで思いながら、テスト状況を写す画面に集中することにした。そうしないと膝が触れてしまっている隣のフロイト隊長を意識して、死んじゃいそうになってしまうから。
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