Recent Search
    Create an account to bookmark works.
    Sign Up, Sign In

    zero_crash1

    シナリオの卓ログや探索者の会話文がメイン。
    有料シナリオは同卓限定。PWはLINEの@以下(@含む)

    ☆quiet follow Send AirSkeb request Yell with Emoji 💖 👍 🎉 😍
    POIPOI 134

    zero_crash1

    ☆quiet follow

    [お前って、そういうトコあるよな。]
    作者:しなの様
    KPC:葛西竜司 KP:無月
    PC:長戸竜次 PL:zero
    シナリオ元
    https://ssshi7.booth.pm/items/3626975

    Tap to full screen .Repost is prohibited

    recommended works

    a_la_do

    DONE2021 うちよそバレンタイン
    Variations−Chatons et papillons

    ラズルーカと白雪くんと、それを見守る一人の編集者の話

    _*._*._*._*._*._*._*._*._*._*._*._*._

    consacrer au sort d’une journée enneigée

    _*._*._*._*._*._*._*._*._*._*._*._*.
    子猫と蝶のヴァリアシオン


    「と、言うわけで、こちらが完成したお品でございます」

    小さな白い紙袋を両手でうやうやしく差し出しながら、ラズの向かいに座った男は頭を垂れた。
    作家先生ご自宅のリビング、十四時半、打ち合わせ。
    作家先生、こと、ラズルーカはただでさえ寄り気味の眉根をぐっと近づけて不快感をあらわにした。

    「そういう茶番は要らない」

    本を渡すくらい普通にやれ、と、差し出された紙袋をぱっと奪い取る。男は、空中に浮いたまま所在なくなった手をにぎにぎと開け閉じしながら、さも悲しげな様子でため息をついた。

    「つれないなぁ、ラズ先生は」
    「シリュウは喧しい」

    シリュウ、と呼ばれた青年は、心外だと言わんばかりに片眉をひょいとあげ、先生ひどい、と文句を垂れる。が、ラズは知らん顔だ。聞こえていないのか聞こえていないことにしているのか、不機嫌そうな顔のまま紙袋の中身を検めはじめる。
    紙袋の中身は小さな絵本だ。ラズはその一ページずつを、端々までを丁寧に目を通していく。
    まったく相手にされないだけでなく、真面目に仕事を始めてしまった作家先生を前に、シリュウはやれやれとため息をついた。

    ラズ 6285