Dazzling 春も終わりを迎えようとしている昼下がり、植えている花の成長具合を確認しようと叢雲は庭を歩いていた。広い庭の端から順番に、花の調子を確認していると、ふと足元に見慣れないものがあることに気がついた。
それは人の足で、明らかに大人のものではなかった。誰かが倒れている!と咄嗟に背の高い花たちを手折らないよう避けると、そこには自分と同じくらいの背丈の従兄弟、戴天が倒れていた。
「戴天……?」
駆け寄って様子を見ると、戴天からはすぅ、すぅと規則正しい呼吸音が聞こえる。表情も苦しげではなく、どうやら暖かな気温に負けて寝てしまっているようだった。
屋敷で度々見かけることはあるものの、話したことはない従兄弟の顔をまじまじと眺める。見かけただけの印象では、両親の後ろを大人しく付いて周り、まるで動く人形のようだと思った。その目はまるで死んだ魚のようで、にこりとも笑わない冷たい人なのだろう、と失礼だとは思いつつも、そんなイメージを持っていた。
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