青空の色 「あれ、時尾っちじゃん!」
そう言って声をかけたのは清少納言こと、なぎこだった。首を傾げつつもなぎこへと時尾は近づく。
「どうしました?」
「あたしちゃん、思うんだよね!こんな逸材が勿体無いって!」
「勿体無い?」
「せっかく現代に現界できてるんだから楽しんでもいいって思わない?」
「…つまり?」
「爪塗らせて!あたしちゃんが塗りたいってのもそうだけどさ、水仕事して爪に目が入ってそれが可愛かったらテンション上がらない?あたしは上がる!」
そう力説され、その様子を想像し「確かに」と時尾は頷く。
「だったらいい!?」
「私でよければ」
「時尾っちがいいんだよ!何色がいい!?たくさんあるよ!」
そう言ってなぎこが取り出したネイル道具を見てある色を時尾は指差したーー。
1227