なぞのさんぶつ水の中にいた。
こぽり、と口から空気が抜け、泡が水面へ浮き上がる。自然と息苦しさは感じられず、ふわふわと水中に浮いている不思議な感覚に、フリードは目を細めた。
キラキラと眩しい太陽の光が、水の中まで浸透してくる。ふと目の前の光が遮られ、フリードは顔を上げた。
ーーめだ、そこにいてはだめだ!!
ドン、ドン、とまるで水の壁を叩いているかのように、ライジングボルテッカーズの仲間のひとりであり澄んだ青い瞳を持った少女、リコに似た男が焦った表情をしながら前に立っていた。彼もまた、彼女と同じ瞳を持っている。
フリードは目を見開き驚いた。
ここはどこだ?自分は一体どうなっている?
行かなくては。仲間達の元へ帰らなくては。
けれどもこの水の中では、体が思うように動かせない。
5292