このほしぼしは「ねぇ、司くん。こっちに来てみてごらんよ。星が降っているんだ」
類は電話越しにそう言って、オレの興味を大いに誘った。セカイで、大粒の星が降っているのだという。それは何ともきらきらしていて、まるで宝石のようで、それでいて当たっても少しも痛くないらしい。色んな色があってすごく、すごく素敵なんだ、類は言った。
類のいる場所へ行かずとも、セカイ全部にそれらが降り注いでいるのは簡単に理解できた。オレがセカイに降り立った瞬間に、こつん、と、眩しい色をした小さな星が頭へ落ちてきたからだった。月のような優しい眩しさが、他のものと比べると幾分小粒なそれを彩っている。同じような色の星がいくつか周りに落ちていたので、オレはわけもなくそれらを丁寧に拾い、そしてパジャマのズボンのポケットにしまった。これらをすぐに類に見せるのは、なぜだか少々恥ずかしい気がした。
1130