ハロークリスマス「え? もう出ちゃったんですか?」
どうして僕がこんな間抜けた声が出てるかと言えば、狗巻君が急に実家に帰ってしまった。
勘違いしないでほしいが、愛想を尽かされた訳では無い。はず。
午後、僕は任務があってみんなと別れた。五条先生が引率する呪術実習に行くと言っていたのがすごく羨ましくて着いて行きたかった。けど僕を見る真希さんが心底面倒臭そうな顔をしてるのを見てしまったので、ぐっと我慢した僕は偉い。
僕の任務はひとつひとつは簡単なものだけど、早く帰りたくて手短に終わらせると次々に任務を捩じ込まれてしまい、学校に戻る頃には二十一時を優に越していた。昨日から会話を交わしていない狗巻君と話がしたくて泣きそうになりながら急いで寮へと向かっていた。すると僕を呼び止める声がして振り返れば五条先生がいた。そして、急ぐ目的の彼が帰ったのだと聞かされた。
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