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    はるのぶ

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    はるのぶ

    ☆silencio seguir

    花が毎日家に届くファウストのはなし(色んな魔法使いが石になっている世界線なので色々注意

    #フィガファウ

    eternal それが自分宛てだと気づいたのはいつからだろう。
     突然。本当に突然、花が届くようになった。

     毎日というわけではなく、時々、頻度も分からず誰がどうしてここに置いていくのかも知らない。綺麗な花束にしてあるわけでもなく、だからと言って無造作に散ってしまっていることもない。ただ、玄関に置かれているのだ。
     朝起きて、今日はあるだろうか、と玄関の扉を少し優しめに開くのがすっかり日課になってしまった。
    「うん」
     小さく摘み取ったそれを抱え込んで、家の中へ戻る。水の張った花瓶に見栄えが良いように刺すと、瞳を閉じてゆっくり深呼吸をする。
     胸いっぱいに広がるのは、花の香りと少しの魔力。
    「…よし」
     まぶたを開き、背筋を伸ばして今日も一日生きていくことを実感する。

     
    「あれ?ファウストじゃねえか、珍しい」
     後ろから話しかけられてその声に振り向くと、袋いっぱいの食料を抱えたネロが小さく会釈した。近寄ってその荷物を持ってあげると、ありがと、とお礼を言う。「何しにきたんだ?」
    「花瓶を買いに来たんだ」
    「花瓶?あんた、花とか育てる趣味だっけ」
     いや、その否定の言葉にネロは眉をひそめる。「毎日花が届くようになって」
    「なんじゃそりゃ、変な呪いか?」
    「呪いだったらとっくに処理しているよ。まあなんというか…知人だと思うんだ。確証はないけれど」
    「ふーん」
     僕が本当のことを言っているのを確認してから返事をして、そのまま歩き出した。向かう先は彼の店。
    「飲んでいくだろ。今日は泊まっていくか?上の部屋片付ければすぐに用意できるけど」
     ネロの言葉に嘘はない。それがわかっているから、僕も安心して本当のことが言える。
    「食事だけにしておくよ、明日も来るかもしれないし。最近頻度が多くなってるからね」
     そうかい、とネロは呟くように言った。
     
    「いくら魔法使いでもできることとできないことがあるってね、ファウスト」
     帰り際、人目もないけど法律で街を抜けるまでは一人にならないようにと送ってくれたネロが小さくつぶやいた。
    「…?」
    「俺は自分から離れていったけど、あんたはそうじゃなかっただろう。ちゃんと最後の最後まで…普通は手のひらからこぼれるものをわざわざ拾ったりしないんだぜ」
     僕の両手を彼の両手が包み込む。暖かくて、胸が締め付けられる思いがする。視界が一瞬だけゆらりと歪んだけど、すぐにまばたきをしてそれが落ちるのをやめる。ネロもそれを知っていて、だからこそ何も言わない。
    「ファウスト、それでも落ちるもんは落ちる。死ぬときは死ぬんだよ。俺たち生きているもんが出来るのは、弔って悲しんで前を向くことだけ」
     言葉をゆっくりと咀嚼して飲み込む。うん、と頷く。
     ネロの言いたいことが痛いほど分かる。正しいし、それが一番だ。これ以上のことはないし、最善のことをするのが自分にとっても良いことだと知っている。
     けれど同時にそれがどうしてもできないことも知る。
    「わかってるよ」
    「…本当かよ」
     何もわかってない。ネロは今頃心の中で僕に失望しているかもしれない、僕がこんなにも幼稚な考え方をして、嘘つきだと言うことを。「本当だよ」
    「そうかい」
     ネロは諦めるように僕の手を離した。僕の言った嘘をゆっくりと飲み込むと、もう一度呟く。
    「そうかい」
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    GARABATEAR※400年前のフィガロは髪が長かったという前提で、
    ベッドの中でファウストから「いつ髪を切ったのか」と訊ねられる話。
    ※南の国の開拓初期の捏造があります。若干のモブ有り。


    え、ここで終わるの? 濡れ場は? って思う方。
    私もそう思います。
    pixivに上げる時に追記するかもしれないし、しないかもしれない。
    タイトルはその時考えます。
    フィガファウの官能小説大好き。
    セックス後の浅い眠りから覚めたフィガロが、髪にまつわる昔語りをする話。 まどろみが続いていた。
     寄せては返す波のようなそれは、思いのほか心地が良い。悪い夢は見なかった。むしろそれとは逆のずっと見ていたいような幸福な夢を見ていた気がする。だが、それ以上の幸せを知ってしまったから、重たい瞼を持ち上げるのもやぶさかではない。結局現実以上の幸せは夢の中には無いのだと教えてくれた存在が、今も自分に触れてくれているのだ。
     頭皮には触れず、短い髪の表面を撫ぜるような遠慮がちな触り方に思わず口元を笑みの形に変える。すると鼻を摘ままれた。
    「狸寝入りか」
    「違うよ、夢から覚めたばかり。まだ夜明け前でしょう、寝られないの?」
    「うん。眠気が来なくて、終わってすぐに眠ってしまったあなたを見てた」
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