氷獄の外へと 3ここ暫くで一番スッキリとした目覚めだったと思う。
チルットにつつかれ、ジュカインの手が頬を滑って意識が戻る。いつもの叩き起こされるのとも違う、労わるように起床を促されて、ゆっくり目を開いた。
「…………おはよぉ」
目を細めてポケモン達を順に撫でたら、撫で返される。優しい手つきと窓から差し込む太陽の光が気持ちいい。
キングドラが擦り寄って心配そうな眼差しを向けてくるので、「だいじょうぶ」と呟きながら起き上がった。
ちょっと頭は回らないが多分寝起きな所為だ。ふわふわ身軽な心地で、いつものように笑って見せる。
……皆凄い顔をしていたから、恐らく上手く笑えてなかったのだろう。なんかごめん。
「大丈夫なつもりだったんだけどねぃ」
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