そんなわけない ルカの練習を始めてみた日から、しばしば練習に付き合うようになった。幸いぼくは帰宅部だし、委員会にも入っていない。暇を潰すにはもってこいの時間だった。キラキラ輝くルカも見れるし。練習に付き合う時は、タイムを測ったり飲み物を手渡したりしている。どれも大変な仕事では無いので、主に走っているルカを眺めるのが仕事だ。役得って言うのかな、こういうの。
「シュウが手伝ってくれてほんと助かるよ! 一人じゃタイム測るのも大変でさ」
「んはは、お易い御用だよ。 こうしてたらぼく、マネージャーみたいだね?」
「え! マネージャーしてよ! そしたら俺、もっと頑張れるよ!」
「ええ?」
正直、マネージャーをしたいかと言われるとNoだ。何かに縛られるのが嫌で、部活も委員会も入っていない。気ままな生活がなくなってしまうのは惜しかった。しかし、ルカが走っているのを見るのは好きだし…と頭を悩ませていれば、ルカがあ、と声を上げる。」
1765