悪戯失敗 ぱちり、目が覚めた。辺りはまだ暗く、腕の中を見ればシュウがすやすやと眠っている。オレが眠る時はまだ起きていたから、自分から腕の中に入ってきてくれたのだろう。口元に置かれた手が可愛くて、思わず笑みが漏れる。
「…POG」
シュウを抱きしめていた手を動かし、そっと頬へ触れる。冬の寒さでひんやりとしていて気持ちがいい。
「シュウ、冷えてるよ」
そっとシュウに近づき、頬に口付ける。
「……は、ははっ!なんちゃって」
「何笑ってるの」
「!!」
「せっかくキスしてくれたのに、誤魔化すのは酷いんじゃない」
「シュ、シュウ、起きて?」
「起きてたよ、頬触られた時から。 …普段はキスしてくれないのに、寝てたらしてくれるんだ?」
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