今日は、曇。
悟天と都に買い物に行くことになった未来悟飯は、ホイミスライムと肩がけカバンと準備をしていた。
今日の向こうの天気は雨、傘も欠かさず持って行く。
「悟天、スライムは置いていく。」
「む〜」
「ホイミスライムだって、見つかったら危険なんだから、気を付けて行かなくちゃ。」
学生悟飯に準備をされて、送り出される。
「お願いします。」
「行ってきます。」
「いってきまーす。」
背中にはリュックサック、未来悟飯のズボンを握りながら家からバス停へ向かう。
「にいちゃんと、とおくにいくってはじめてだよ。」
「そうだね、そうだよね。」
バスを待つ間、持ってきた地図をカバンから出すと、それをホイミスライムが広げる。
地図には学生飯が行く場所に印を付けてくれて買うものもメモしてあった。
「チョコレイトのおかえしのくっきぃかうんだよね。たのしみだな〜。」
「それには、バスと電車を乗り継いで行くんだ。」
「うん。」
カバンに地図を閉まって、近くの椅子に座る二人。
ホイミスライムは未来悟飯の左側にいつもいる。
「にいちゃん、あっちにいったら、ぼくがこのコをだっこするんだよね。」
「そうすれば、人形を抱いてる子供だって思われるから、人に見られても襲われることはないって(学生飯情報)。」
「あんしんだね〜」
しばらくしていたら悟天がうとうとし始める、抱き寄せて抱っこしていると、バスが来た。
カバンに無理やり入りホイミスライムは一緒にバスに乗り込んで、出発する。
人が少ない便だったためにリュックサックを床に置いて悟天を席に、触手がはみ出すカバンからホイミスライムを取り出して抱っこさせた。
「俺も少し休んでいくよ。」
バスは順調に終点に到着、未来悟飯は悟天に起こされて降りる。
「にいちゃん、ぼくしっかりリュックサックとこの子といるよ。わすれものない?」
「大丈夫だよ、カバンは掛けっぱなしだったから。この中にチケットも入ってる。確認っと。」
ほぼ、学生飯の準備したもの。
そういえば、空から行けば早いのに•••って、ここの俺は、言ってたけど、この世界で空飛んでも大丈夫なのかな?魔物の力は借りれない、乗り物の免許はないから、こんな時は••••。
駅だと思う方へ向かいながら歩いて考えていると、ズボンを引っ張られた。
「にいちゃん、たぶん•••あっちかな?」
「さすが、悟天」
顔から火が出そうなほど、
「そんなことないよ、にいちゃんがいっしょだからきづけたんだもん。」
「俺も悟天がいたからかな。」
「うふふふ。」
「ははは。」
悟天と一緒だといつも笑う事ができる、ここに来て本当によかったって。
未来悟飯は、悟天の笑顔に癒されながら駅に向かい電車に乗りいろいろ乗って、ようやく都にたどり着いた。
「にいちゃん、あめだね〜」
「そうだね。」
「人多いね」
「そうだね。ホイミスライムは悟天が抱っこしててくれる?」
「うん、その、あのね」
「どうしたんだい?」
「ぼくのかさ、わすれてきちゃった•••」
どこに忘れたのか。
あ、家から持ってきてないんだ。
「家かな。よし、抱っこして、ホイミスライムを隠しつつ、傘をさしてもらおう。きっと見えないはずだから大丈夫。」
途中の店の窓で、ホイミスライムが見えないことを確認して、歩き出す。
目的の場所はクッキーを買うこと、おつかいみたいだな。
ちょっと考えながらお店の方に歩いていった。
5分くらいで到着して、悟天はお店に買いに行く。
それを見ている。
財布にお金にリュックサックにしっかり入れて、お礼を言って出てきていた。
「すごいぞ悟天よくできた。」
頭を撫でると悟天もにこにこ顔。
抱っこして、帰り道にもうひとつ付いていた印に向かう。
その間、悟天はうとうとし始めて、ホイミスライムもズルリと落ちそうになって、触手で悟天も支えつつ傘を持っている。
「何か言いたそうだけど、俺にはわからないんだよ。ごめんね。」
何かもそもそと動いている。
「悟天、ホイミスライムが何かもそもそしてるよ。」
「ん?」
悟天を起こして話を聞いてもらう。
「悟飯さ、ん?」
の声が聞こえた。
角度で見えなかったが、誰かの足音と、傘を急に落として隠れ始めたのはホイミスライムである。
よその人には隠れているってことになっているからであるが、バタバタと、隠れようがなく。
「だいじょうぶだよ。」
「水しぶきが飛ぶ。」
ホイミスライムが傘を持ち上げて差し直すも、びしょ濡れで二人はいる。
未来悟飯は、悟天が見ている方を見て知り合いだろうか?と疑問を持っていた。
見たことはないけど、雰囲気は知っているような•••
「こんにちはぁ、トランクスさん。」
「トランクス?」
トランクスだって?紫の髪色だった記憶がする。
目を細めて青い髪を紫にした想像をする。
「悟飯さん•••ん?」
「あれ?トランクスさんとはじめてあったのかな?ぼくのにいちゃん。トランクスさんは、トランクスくんのおおきいいすがたなんだって。」
「そうなんだ。はじめまして、悟飯です。」
片手には悟天が、にょろりと伸びたのはホイミスライムの触手である。
それを見て青い髪のトランクス驚いていた。
不思議な生物を連れて、悟天くんを連れている別の未来の悟飯さんだと。
未来悟飯も観察中、赤いマフラーを付けている••••まったく違うトランクスなんだと理解する。
悟天は、何度か会っているのはちびっ子のトランクスと遊ぶ事があったからで、今日の目的の最後の印にはカプセルコーポレーションが入っていることを知っていた。
「トランクスくんのうちに、いくんでしょ?」
「印はそこだったんだ。」
俺とこのトランクスを合わせるつもりだったのか?
と思う。
「あ、そんなに濡れているんだから、風邪引くよ悟天くん。家なら早く行こう。ね。」
「ああ、ごめんその前にその手を離してあげてほしいんだ。」
「あ。」
触手を握りしめているトランクスは慌てて離す、ホイミスライムは向きを変えて人に見られないようにカバンに、未来悟飯は悟天をゆっくり降ろしもう一度抱っこをした。
ゆっくり出てきた触手が傘をさす。
「便利ですね。」
「助けてもらっているよ。」
「悟天くん、抱っこしましょうか?」
「••••••」
「?」
「大丈夫、トランクス•••さん?悟天は抱っこしていくから。」
「は、はい。」
一瞬、何かを感じたようで引くトランクスであるが
「オレのとこは呼び捨てでいいですから、悟飯さん。」
「助かるトランクス。そのほうが慣れているから。」
話しはしていくことはないが、たどり着いた場所で着替えをしたり、悟天は子供同士で遊んでいた。
着替え終えた未来悟飯は子供たちを見ている、トランクスがそばに来たのがわかると
「何か、聞きたいこと?」
と、言う。
トランクスは顔が赤い。
「悟飯さん、生きててよかったです。」
声がかん高かった。
興奮しているんだな、でもねトランクス、俺は、知っている悟飯じゃないよ。
「トランクス、ここは、夢の世界かもしれないだろ?だから出会えたってことあるんじゃないのかな?」
「そうかも知れません。でも、それでもオレは出会えたことが一番嬉しいんです。」
「俺も嬉しいよ、トランクス。」
話している最中、トランクスの視線は未来悟飯に、その未来悟飯の視線は悟天に向けられていた。
それを察したトランクスは
「悟天くんってかわいいですよね。ちびトラのオレなんかと遊んでいる時も、笑顔に癒されるし。」
悟天の笑顔が奪われている。
「トランクス、は、いつ出会ったんだ?悟天と。」
「どのくらいか、よく学生してる悟飯さんと遊びにも来ていたから。それでも数回ですよ。遊んだり、お風呂に入ったり。一緒に昼寝したり•••••」
「悟天ーー帰ろう〜。」
「え?悟飯さん。」
「電車の乗り継ぎがあるから。トランクス、会えてよかった。」
俺は、トランクスに嫉妬している。
これ以上いたら、ホイミスライムをけしかけてしまいそうだ。
いやもっと、喧嘩になりそうで。
「トランクスくん、みんな、ばいばい〜」
「おう、悟天いつでも迎えに行くから遊びに来いよ〜。オレの、にいちゃんだってすっごいんだからな〜」
「うん、トランクスくんまたね〜」
ちびっ子のトランクスはまた遊びだしている。
悟天を早々と抱っこして、荷物のところに向かう。
にいちゃん、おこってる?と、悟天は感じた。
トランクスも後から着いてくる。
「悟飯さん、オレ送りますか?」
「大丈夫です。服とかは洗って返しますから。」
そこに、トランクスの母ブルマが来る。
「服とかはいいから、へぇ〜この人がトランクスが言ってた師匠なわけね。悟飯くんに似てるような似てないような。」
「こんにちは、ブルマさん。お世話になってます。」
いつもと変わらないブルマさんだ。
「ベジータがいたら、ちょっと何かあったかもしれないけど、いなくてよかった。」
「みなさんが元気でよかったです。」
「トランクス、送って行きなさいよ。せっかくの大事な人なんでしょ?」
大事な人?って、トランクスまさか、悟天のことを。
「か、母さん!」
「にいちゃんとだいじなひと?ってすきなひと?」
「ご、悟天くん。」
「悟天、電車で帰ろう。」
帰りは、トランクスが操縦する乗り物で帰ることになった。
悟天は空からの景色に大興奮していた。
森も山も街も雨の後でスッキリと見えている、夕日がキラキラとしていた。
膝の上にのせている悟天は窓に張り付いている、その景色を一緒に見ながらその頭に顔を埋めた。
「にいちゃん?つかれたの?」
「少しだけ、悟天を補充してる。」
「じゃあ、ぼくもにいちゃんをほじゅう?する。」
くるりと向きを変えて向き合うと胸に抱きついた。
その姿を見ながら、トランクスは走らせた。
「(悟天くん•••••)」