「勉強ができないんです。すみませんが僕のメタルスライムを1日預かっていただけますか?」
学生の俺が目の下にクマを作りながら肩に乗るくらいのメタルスライムを預け再び部屋にこもる。
こんなに小さいくらいのスライムなのにどうしてだろうと乗せられたので手にと思うも••••ススっと頭の上に乗っかって髪の毛を口でむしゃむしゃとしたり引っ張ったりと、とにかく活発。
これでは、勉強どころじゃないなあ。
「悟天、くん••••散歩行かないかな〜?」
家の中なので、悟天のことはくん付けになる。
困っているってことを気づいてくれたみたいで
「に、悟飯さん。あ、ぼくあそびにいくよ〜」
「それじゃ、出発。」
遊びに行くと母さんに伝え、いつもの原っぱに向かいながら、メタルスライムが何を訴えているのか気になった。
「うん、うんうん••••うん。伝えるね。」
「なんて言ってる?」
「メタルスライムくんは、にいちゃんにあそんでもらえなくて、つまんないみたい。ガシガシしたら、こうなっちゃったって。にいちゃん、あそんでっていってるよ。」
勉強ばかりしている学生の俺にストレスを感じているのだろうかな?俺も暇より体動かしたほうがいいし、さて遊びか、ホイミスライムたちとメタルスライムと修行になるのは•••今までの触手連携攻撃と素早さからくる攻撃を考えて、そうなると
「にいちゃん、あそびだよ。」
「うん、体を動かして遊べるのを考えてるよ」
なるようになるかな。
と、考えているうちに到着。
「よし、遊ぼう。」
「ぼくも、むこうであそんでくる」
スライム数匹と遊びに行った悟天を見て、魔物たちにさっきのことを伝える。
俺には、魔物の言葉はわからないが、魔物たち理解してくれている。
「良し、来い!」
の掛け声をスタートに、攻撃を仕掛けてくる。
思ったより素早い動きのメタルスライムからのホイミスライムの連打攻撃。
意外と練習になる、全体を見ながら避けていく、いつもはホイミスライムだけと今日は、違う修行になる。
ん、あれ思った以上に•••
「ちょ、っと」
やればやるほど連携が良くなってくる。
触手を避けた瞬間メタルスライムの頭突きをお腹に受けて、よろめいた。
「す、凄いよ。俺だって負けないからな〜」
構えて直して目で追う、気配を感じる、メタルスライムが二匹三匹に見えてくる。
素早すぎて残像なのだろうか、
ホイミスライムたちは、それに合わせるかのように連打攻撃。
いや、あれは•••別個体のメタルスライムじゃないのか、明らかに大きさが違う。
頭突きを回避するも、数匹のメタルスライムの頭突きを一斉に浴びてよろけて座り込んだ。
その時点で、遊びは終わる。
「はは、負けた〜強いな、俺もまだまだ修行しなきゃ。びっくりだな、五匹いるじゃないか?」
大きさが違うメタルスライム、ひょこっと顔を出して俺の座っているところにくるので、そのひんやりした体に触る。
「すごい楽しかったよ」
左肩に取りついたホイミスライムも、回復の魔法をかけてくれたのがわかって、体の痛みも引いた。
「にぃちゃ〜ん、すごかった。だいじょうぶ?」
見ていたようで悟天が走ってくると、俺の目の前に座り込む。
「大丈夫、ホイミスライムが魔法をしてくれたからね。見て、悟天。こんなにメタルスライムが集まってきたよ。」
悟天は一匹に触りながら
「いえにいっしょに、つれていけばいいよ。」
「ん〜それはどうかな〜」
五匹になったら、面倒見るのも大変だしメタルスライムたちが、つまんなくて大暴れして大変になりそうだ。
母さんも食事とかで大変になるだろう。
「んん?」
「今は、勉強大事な時だからこんなにたくさんのメタルスライムを相手にするのは大変だと思うんだけど」
学生の俺、だから今日は、預けてきたんだもんな。
「そうか、ぼくもスライムくんならいいんだけど。」
「ごめんねって、お願いしてくれるかな?」
「うん」
最初の一匹だけになってあとのメタルスライムは寂しそうに帰っていった。
俺にもわかる、一回振り向いたから。
頭に乗ったメタルスライムは満足したようで大人しくなる。
もう少しだけこの場所にいて悟天をみながら少しのんびりしていよう。