梅雨が始まり、庭の小さな菜園に日課の水くれもせず過ごしつつ。
日々することは決まっているものの、こう雨が続くと外に出たくないとも思う。
今は、見守ることしか出来ない自分自身にイラ立ちも感じている。
だからといって、誰が悪いなんてことはない。
「俺がここに来てしまっているから?」
そうやって、自問する。
そんな時はそういう気分を察してか?最近ではピッコロさんが顔を見せてくれるようになっていた。
今日は、びっしょりと濡れたマントを玄関で外し、新しいマントを付け替えている。
便利な能力でいいな、って何度も思ったか。
「こういう雨の日はそういう考えも出るだろう、気にすることはない。」
気にすることはない。
か••••
「そうですね、俺もちょっと横道それてみようかな。」
「道は未来にたくさんあるはずだ。」
「お水、準備しますね。」
時々取りに行く名水。
いろんな所のを飲んで欲しいと思っているから。
ピッコロさんが好きな水はアッチが出していると思う、それにしても、ここの世界の水はどこに行っても汚染されてないから美味しい。
いくつもある未来の平和な世界で、その世界での、ひとつの世界での、俺は、そんな中で
悟天とのやりとり•••••
あれ?
こんなに、弱い人間だったか?
水を出して椅子に座る。
ピッコロさんが一口飲む
「うむ。うん」
「良かった、色々飲んでほしいですから。」
「アッチでは同じのしか出てこないからな、いろいろは正直楽しみだ。」
「良かったです。」
その言葉だけでも少しは、落ち着く。
俺が悟飯でも、同じ元々いる悟飯が生活している、ピッコロさんは主にそこにいるのだから。
落ち着いたから。
「ピッコロさん、今日も悟天の偵察に行ってきます。最近、不眠みたいだから倒れてたりしたら心配ですから。」
「いや、悟飯。別の道ってことはな••••」
わかっています、別の道ってことは違うことも考えろってことですよね。
俺だって、本当は奪い返したい。
この世界の人間じゃない?
血がつながっている?
それは関係ない!
俺は、絶対に諦めない
「悟天を取り戻すまでは。あ、気にしないでください、じゃあ行ってきます。」
ピッコロさんの顔ちょっとびっくりしていたな。
心の本音が出てしまった。
悟天と度々会うようになって行った?ように調整したのは、いちご大福が売っている和菓子屋。
少しずつ顔を合わせ、同じいちご大福を買う。
同じ物を買っているという印象と、顔見知りになるってことを目的に。
ちょっとずつ、焦ることはない。
まだ、学生でありスクールに通うのだから。
何日も通った時、悟天は話しかけてきた、よっぽど気にはしていたんだと思う。
「こんにちは、今日も彼女サンですか?」
本当は君にだよ、悟天。
「いちご大福大好きくんは、本当にふたつもすぐ食べちゃうのかな?」
「俺、悟天って言います。いちご大福は好きだけど、ちょっと、恥ずかしい言い方で覚えられてたんですか?」
はにかんだ笑顔、ちょっとぷっくり悟天、可愛い。
「ごめんごめん。いつも買っているからね。」
「そうだけど、お兄さんだっていつも買ってるしさ。好きなんだ?」
好きだよ、大好きだ。
「いつでも帰ってきてもいいように買っているだけだよ。もし食べきれなかったら、食べに来るかい?」
目が輝いてるよ
「え、いいの••••って、ダメだ。俺のスクールサボってるの怒るやついるし、それに知らない人にくっついてったらそうとう不味いことになりそうだよ。」
「大変だ。」
「片腕の兄ちゃん、待たせたね、カバンに入れるよ。」
奥から出てきたおばちゃんが包を持っているカバンにいつも入れてくれる
「俺が入れるよ、おばちゃんかして。」
「ありがとう、悟天くん。」
「あ、それと、スクールの人には内緒にして、俺サボってるのバレたら嫌だから。」
「ん?スクールの子に知り合いはいないから、大丈夫だよ?安心して。」
ってやり取りは培って来きているから、お茶に誘っていければいいんだけどな。
はあ、今日は雨だから悟天はサボっていないか•••
「さっき、男の子と一緒に来たよ。一足違いだったねぇ。」
いちご大福を買って、慌てて気配を知る。
知っている喫茶店にふたり。
歩いていく、
雨の音が傘を叩く、さっきより降ってきている。
喫茶店の窓越しで悟天が机に寝そべる姿が見える。
運ぶトランクスの姿。
薬でか、ようやく寝ることできたんだな。
「ありがとう、トランクス。」
睨まれたか、
悟天が幸せならいい、トランクスは友だちとして心配しているだけなんだから。
だから、そばにいてくれる。
俺も、小さい時はピッコロさんがそばに陰ながら見守ってくれていたから、俺も今は、悟天にそうしていてあげよう。
露骨に出れないけど、
悟天はみんなが見守っているんだから、本当に嬉しいことだなあ
父さんだって、ピッコロさんだってみんな悟天が大好きなんだ。
だから、寝れる時にゆっくりと、寝てほしい。
その晩は、悟天のところには行かなかった。
不眠も解消されたんだと思ったら少し俺もホッとして、部屋のベッドで目を閉じるとそのまま寝てしまった。
その晩、夢に悟天が笑顔で、でも泣いている表情の顔が出てくる。
俺も安心して、こんな夢を見るなんて••••
夢の中で朝のベッドに悟天が、寝ている幸せないちにちに。
いや、
その日の夢はリアルすぎて、
で
が
だった••••
だから、そうだったんだと思うと
「悟飯さん、おはよう。」
「ご、ごてん、くん!」
「ごめんなさい、その、俺やり足りなくて••••まだいいですか?」
「あぁ、うん•••••嬉しいよ。」
その朝のベッドに悟天の姿はない、わかっているはずなのに涙がこぼれた
••••
「久し振りすぎて••••ちょっと痛いか••••」
部屋の片付けも
起きるのも
もう少しだけ
あとにして、
今日も雨の音をききながら寝ようと思う。