「今日は僕が全部家事をやるから森君はゆっくり出掛けてくると良い」
エプロンの紐を結びながら高杉は森を送り出す。
お下げ髪をバッサリと切ったせいで、項が見えるほど短くなった高杉の髪も季節が冬と春を経て、夏が来る頃には大分伸びてきたので、適当にゴムで縛っていたが森は気に入らないと、解いて結び直した。
「……帰ってきたら、家が爆発してるなんてコトはねぇよな」
一方の森は円満成就したと、ばっさりと襟足まで伸びた暑いからと髪を切っていた。
「失礼だな、僕だって少しは家事スキルを向上させてだな……ほら、信長公が待っているんだろ」
そんな漫画みたいなと思うかもしれないが高杉には前科がある。
家を爆発こそさせてないが、森が爆発するようなことは数回はしている。
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