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    dps94kakuriyo

    @dps94kakuriyo

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    クラノス、サテヨモ、フククワのネタ帳からSS化したものをここにあげたり、文庫の作業場だったり。他にもいろいろ。

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    サテ君はね、初めてヨモの家に行った時、狭くはないけど必要最低限のものだけあって生活感のまるでない部屋に1人佇むヨモを見て、ものすごく切なくなったの。この人はどうして、こんなにも寂しいんだろうって。

    #サテヨモ
    iwomo

    世界の果ての話 非番の夜、眠りが浅かったのか夜中に目が覚めてしまった。午前三時四十分。あと少しで夜明けの匂いがしてくる頃。
     眠らない街のあの喧騒も、ここでは遠い世界のことのように思えた。隣で小さく寝息を立てる彼の、心臓の鼓動が響いてきそうな、静かな夜の静かな家。
     彼が滅多にこの家に帰らなかった理由が、今なら分かる。ここには機械音も人の気配も吸血鬼達の騒がしさも無くて、初めてきた時は静かで寂しい場所だと思った。だから、ここに来る時はなるべく彼と話すようにしている。
     居間でレンタル映画を見て、テーブルで一緒にご飯を食べる。寝室では、会話にならなくても会話する。こうしてただ眠る時も、出来るだけ寄り添うようにする。
     一人と一匹だけじゃないことを感じて欲しくて、俺は彼の領域に踏み込む。叱られたって構わない。叱ってくれることが嬉しいから。
     自分勝手はお互い様。そうでしょう? ヨモツザカさん。

     翌朝。居間のソファでフラスコを撫でる彼と目が合った。
    「おはようございます……」
    「遅いお目覚めだな。おはよう」
    「あっ……」
     現時刻に驚いて、謝りながら足早に洗面所向かう。遅くなった朝食のメニューをどうするか考えた時、さっきの彼の声に似合わぬ緩い笑顔を思い出して、うっかり歯磨き粉を飲み込んでしまった。


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