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    motarou714

    @motarou714

    メディア埋めちゃいそうなのとか、R物を置いてます。うちよそもあります〜!

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    motarou714

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    シリアスストーリーです。
    本編です。

    第一章"録音データ.デジジ大佐"
    そう、記載してある一つのデータがゴミ箱に残されていた。
    あなたは、興味をもってデータを開く。

    "再生します…"    ピピッ…
    ジジッ…
    ジ…

    「ー……ー…ーー」

    誰かが話しているようだか上手く聞こえない。
    明らかに処理されている録音データならば、何も聞けずに終わる。

    「ーーナ、反省文を持ってきたな?今回は上がかなり怒っていたぞ?前から言っているだろう、上官の試作品や研究室、その他機械関連のある場所には入ってはいけないと」

    優しそうな男性の声からは、呆れが混じっている。
    おそらくデジジ大佐📶だろう。

    「えへへ!だってモクモクしてて、ガチャガチャしてて凄かったんだもん!ロググはお昼寝してたから、アナナは一人で遊ぼーって思ったのー!今もまだ寝てると思うし!」

    元気いっぱいの可愛らしい女の子の声。
    大佐と話しているのはアナナ⬛という少女らしい。
    前々から大佐の部屋に白黒の双子が出入りしてる噂があったが、反省文を渡しに行っていたようだ。
    大佐はデジタル関連の管理を任されており、戦闘には参加したがらないインドア派。周りから仕事を押し付けられて、問題児の双子の世話までさせられていたのだろう。

    📶「アナナ、君の力は他者に危害を加えてしまう物だ。たとえ興味本位でも研究室を爆発させてしまえば、市民への被害にも繋がる。弟も犠牲者になってしまうかもしれないんだ」

    優しい大佐の声が少し低くなり、少女は黙っているのか話さない。

    📶「分かっている。制御出来ない分精神を削っているんだろう、アナナ、今は自我があるのか?」

    ⬛「…よくわからない。デジジさんは、アナナの事どう見えてる?」

    先程までの元気いっぱいの少女はどこへ行ってしまったのか、そのまま質問を投げかけた…が。

    ⬛「貴方も同じ?ねぇ…貴方も貴方も」


    回答を聞くまでもなく、少女は別人になったかのように、冷静に…恨みを込めたように声を発した。アナナという少女は、どうやら心に大きな負荷がかかっているようだった。それを大佐は見抜いていたのだ。
    しばらく二人は無言になったが、大佐がまた少女に優しく声をかけ始めた。

    📶「やはり、ずっと辛かったんだろ。しっかり見てくれる大人も、分かってくれる友達も出来ず、嫌いな弟と一緒に束縛された人生を過ごす事が」

    ⬛「違う!!!!ロググは私の大切な弟なの!!!だから、嫌いじゃない…世界で一人しかいないの…」

    📶「大切なのは"愛する弟"ではなく、"同じ力を持つ者"が。だろう?ならなぜ、一人で歩く。愛する弟を置いて勝手に出掛ける。一緒に居てやればいいだろう。………泣く弟を見ていると鏡のように、離れられない自分を認識して一緒にいるのが不快なんだろう?」

    ⬛「…そうだよ。弟が嫌いだよ。でも、おまえには関係ないじゃん。うるさいな」

    少女は大佐に無礼な発言をしたかと思えば、次の瞬間爆発音が聞こえた。
    ガラスやバラバラと何かが崩れる音、爆風があったのか砂が舞うようなチリチリとした音まで入っていた。
    奇襲にでも遭ったのだろうか?録音データはここまでで壊れたのだろうと、再生を止めようとしたその時だった。

    📶「ロググ!!!!!!!なぜいる……!!!!!」

    大佐の大声は、今にも泣き出しそうなものだった。
    自室で寝ているはずのアナナの弟、ロググ⬜が近くにいたようだ。が………今の爆発音を考えるに……

    ⬛「いっつもそう、勝手に付いてきてアナナは馬鹿だから仕事もできないって思ってる。手伝おうとする。反省文だって自分でかけるのに、ここはダメ。あれは違う。もうウンザリ」

    📶「アナナ!よせ!!!弟だ!!!君の唯一の弟なんだぞ!!!!!!」

    大佐は少女を止めようと必死で叫んでいる。
    だが、爆発音は止まらなかった。
    爆音の後、ぴちゃぴちゃと…何か、液体が飛び散る音が不快に残る。そして少年の声が微かに聞こえた。

    ⬜「お姉ちゃん…」

    📶「…ッアナナ!!!!いい加減にしろ!!!!!!」


    ドスッ!っという鈍い音が響く。
    大佐は少女を……殴ったのだろうか。

    📶「ロググ、大丈夫だ治療すれば助かる。片目に刺さった破片も全部取り除く…だから死ぬな。君のお姉ちゃんだって、殺す気なんてなかったんだ、分かるだろ?」

    ⬛「………」

    📶「本当はとても優しいんだ。弟が自分より苦労してる事を知って、先に君を楽にしてあげたかっただけなんだ。だから嫌いなんて嘘さ、そうだろう?」

    ⬛「………私達生きてていいの?」


    スッ…ウグッ…と、少女は涙を堪えながら、必死に言葉を吐いた。
    幼い少女は、自分達の命を価値のないものだと判断するほどに孤独だったようだ。機械を素手で触るだけで爆発させてしまう、そんな力、今の時代厄介払いされて当然だった。

    📶「アナナ、弟を運ぶのを手伝ってくれ、愛しているのなら」

    そう、大佐は優しく声をかけた。
    少女は無言のまま、大佐の声のする方へ歩いていった。


    ………


    「……ハァー、デジジ大佐をお守りすることが私の仕事だというのに、なぜ攻撃の邪魔をする?殺されたいのか」

    「攻撃って…あの子達を殺すつもりだったんでしょ?そうはさせません、自分!教育係ですから!あと!殺すとか酷い言葉子供たちの前で絶対に使わないでくださいね!あと、タバコ!臭いです!もう!」

    ーーここで録音データが途切れてしまった。

    End
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