デジジ二等兵昔の記憶がふと戻ってくる時がある。
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デジジくんって真面目だよね!
デジジ君は皆と遊ばないの?
デジジ…ってさー…なんか、つまんないよなー
幼少期友達が居なかった私には、友情や青春といった子供らしい経験がない。
そりゃそうだ、他愛もないふざけた話も続かない子供同士の恋愛も、非効率的で人生にとって無駄でしかないと思っていたから、関係が必要なかった。
周りには、馬鹿しかいないのだと。
両親は普通に私を育ててくれた
真面目に勉強し、常に時間を有効に使い、
そして試験に合格し、二等兵として初めて戦場に向かった。馬鹿な上官と共に
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状況は最悪…
相手の攻撃で空気が毒を含む地獄になり自身も含め周囲の部隊までも、敵のなすがまま…殺りやすいに射的になっていたのだ、これだから馬鹿な上官が嫌だった…相手をしっかり調べないから誰かが死ぬ結果になるというのに…
📶「私は…死ぬのか?」
様々な記憶が蘇る、走馬灯と言うものがある。
死の間際や危機に陥ると人は、脳が過去の記憶をフルで問題解決のために思い出すのだという…
だが、ここは初めての戦場。
何が正しいのかわからなかった。
答えがあるのなら誰か教えてほしいと、願ったその時だった。
???「ゲホッゲホッ……ハァ……お前…下に入れ……早く」
名前も知らない二等兵が私に話しかけて来た。
???「自分はもう助からない…こんな出血じゃ死体になるも目に見えてる。だから…だから、せめて…」
これが答えなのか?
私は訳がわからないまま、その男の下に隠れるように、同じ"死体"に見えるように入り込み…敵が去るのを待った………。
敵が場所を移動し風が空気の毒を薄めていく。
周りはほとんどやられた。
体の一部しか無いやつもいた。
私をかばってくれた奴は、もう冷たくなっていた。
これが正しい答えなのか?
生き残る事が答えだったのか?
戦場を共にした周りと同じように死ぬべきでは無かったのか?
…問題があってそれに自身の回答を書き、答え合わせをする。そんな当たり前を今までずっとこなしてきた。だが、今は何が答えなのか分からなかった。
📶「何かを…託す………?」
答えを先延ばしにされた気がした…だが、それよりも感謝の気持ちでいっぱいだった。
死体になってまで、かばってくれた仲間に。
意識が朦朧としながら、私は敵の姿特徴、武器や戦略の予想など自身の強みを活かし、ありとあらゆる敵の流れを把握しようとした。
そして……
たった一人で、毒を使う敵部隊を潰した。
簡単な事だ、毒を使うのならその場に毒が用意されている、すべての免疫を持つ生き物などいない、敵の持っていた毒を奪い取り致死量打ち込んでやっただけだ。
毒さえなければ味方の部隊は動ける…
後の者に"託す"これが今の私の答えだ。
「デジジ二等兵、君は昇格だ。大佐に任命する」
📶「…はい?」
なんとか戦場から帰還し、入院中本部から突然知らされた昇格通知。こんな事、普通あるのか?大佐というのはもっと、順があって任される階級なのではないか?
退院後、不釣り合いだと説明したが、毒を使う敵部隊を一人で潰したことが相当気に入られたようだった
それに…
📶「私が大佐になったのなら、前のような死者を出さずに済むかもしれないな」
今まで自分の為に人生を有効に使ってきた私だったが、あの時…生かされ…価値観が変わった
誰かの為に、自分の人生を使う。
それは周囲が当たり前にしていた、友人関係や恋愛関係なのだろう。
私も誰かの為に…人生を使いたい。
⬛⬜「失礼します!反省文持ってきましたー!!!」
📶「またか…今度は何をした?」
End