依存「とても優しくて美しい、エレレ…俺は君が好きだ」
突然の告白。
その人は私の隊長で、私にとって初めての恋だった…
彼はずっと私のそばにいてくれた
私も彼のそばにずっといた
昔から人付き合いが上手かった私は、誰とでも仲良くできて、特に子供には大人気だった
そんな優しい姿を見て好きになってしまったのだとあの時の彼は言っていた。
🎓「じゃあ何で、私をアサシンにしたのよ」
思い出すたびに込み上げてくる怒り…そして…憎悪
彼は…私を…アサシンに推薦した
優しくて…美しくて…穢れのない私を………
もっと君は上に行けるって、貴方は側にいてくれるって言ってくれたからアサシンになったのに
彼の言った通りに、言葉巧みに上官に媚びを売り部下には愛嬌を振りまき騙し…吐き出してしまいそうなほど、相手の好意が私に向けられ続ける…でも私には彼がいるから彼の為に…ずっと信じて
そして
私は大尉にまで上り詰めた。感情を押し殺して…
けど彼は壊れた私を見て…
🎓「あぁ…」
思い出したくない。
これ以上は…この先は……………
私はアサシンを辞めた。
…昔に戻りたかった。楽しかったあの頃に、彼が側にいてくれた、偽りのない笑顔で過ごす日々に…でも、もう戻れない、今の私には手遅れだった
昔はどうやって周りと、会話していただろう?
"普通"の状態にするにはどうしたらいい?
もう少し笑顔を優しく?
ちょっと困ったように声を出す?
私そのものの形がなんなのか分からなくなっていた。
精神が徐々に壊れていくのが自分でも感じとれた
だから散歩にでも行こうと外出した時だった
???「あの…私迷子なの…友達とはぐれて……だから道を教えて?」
独りぼっちの子供が、私に話かけてきた
友達にはぐれて…と言っていたけど、わざと置いていったんだろうと、私は笑顔でゆっくりと道を教えてあげた
???「ありがとう!お姉ちゃん大好き」
……。
一切の迷いなく発せられる感謝の言葉
子供の笑顔は太陽の様に暖かく優しい
私は、"これが欲しい"そう思ってしまった
それから、独りぼっちの子供や問題児、変わった子に優しく声をかけて仲を深めていった、もちろん手に入れる為に。
……………
???「エレレさん、ただいま帰りました、あの…結果報告をしても?」
???「疲れたー!今日は頑張ったの!褒めてエレレお姉ちゃん!」
???「ねぇーもうやだー明日はエレレも付いてきてよー」
🎓「ふふ…まぁまぁ、ゆっくり一人ずつ話してちょうだい」
子供達はいつか大人になり親元を離れていく、けれど私の育てた子達はいつまでも私の側にいる
【依存】…それは、恐ろしいほどに無害な毒。
愛情に似た、離れることの出来ない首輪。
どこにでもいる、不幸な子供。
あなたの家にも居ない?
いたら私が育ててあげるわ、
離れられないようにね。
…End