「よお、城之内くん」
城之内が病室の扉を開くと、遊戯が既に身を起こして病室の奥の方から彼を見ていた。大きく鋭く凛とした眼差しで見つめられて、城之内は思わず固まってしまった。
「もう一人の遊戯か?」
彼が病室の中に足を踏み入れながら問うと遊戯は小さく頷いた。今目の前にいる遊戯は、昨日のいつもの遊戯と変わらず顔中にガーゼを貼られ、手にも包帯を巻いたままなのに、全く弱っているように見えない。顔は同じなのにやっぱりわかりやすいなと、城之内は考えながら遊戯のベッドのそばにあったパイプ椅子にドカっと座る。
「どうしたんだよ、珍しいな」
昨日は遊戯の病室に口煩い爺さんもいたが、今日はいなかった。静かな広い病室で城之内ともう一人の遊戯の二人きりだ。
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