不足浄花
なにものにもなれない←没
不足/インサフィシェント(insufficient)不十分
「あなたに任せたい人がいます」
大道寺一派のエージェントとして4年を経過した花輪(森永)。
住職に呼び出された寺の縁側で雑談という形で話される。
「私に…?住職直々にご指名ですか」
「ええ、今のところあなたほどの適任は思いつかなくて」
一枚の写真が差し出される
覗き込むと桐生一馬
「っ、彼は」
「あなたなら分かるでしょう、花輪さん」
たまらず住職を見るも、住職は相変わらず穏やかな表情。
「彼は、自分の死と取引をしたんです。ここに来る時はもうあなたの知っている彼ではない」
桐生一馬が死ぬわけがない。
「改めて彼の事を共有するわけにはいきません。ですから、彼の事を知っていて、新たに深入りしなくてすむあなたが適任だと思っています。どうですか?花輪さん」
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