One More Time 朝、目を開けるとディーンの寝顔が見えた。ゆうべは一緒に眠ったんだっけ。ベッドに横たわったまま、数度まばたきを繰り返した。見慣れない部屋だ。寝返りを打って周りをもっとよく観察してみる。泊まったモーテルはこんなインテリアだったっけ。到着は夜遅くで暗かったし、そのままベッドになだれ込んでシャワーも浴びずに眠ったからあまり見ていなかった。
ディーンはまだ寝ていたけど、まぶたの下の眼球がせわしなく動いて、覚醒の兆しを見せていた。そのうちにふさふさのまつ毛がまたたいて、綺麗なヘーゼルグリーンが姿を現した。
「おはよう、サム」
僕の視線に気づいて、ディーンは幸せそうにほほえんだ。これほど可愛らしい表情をする兄貴を、僕は見たことがなかった。昨夜の行為はそんなによかったんだろうか。気持ちのいいセックスをすると兄貴は上機嫌になった。
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