催眠症候群「キバナ、準備出来たぜ」
すぐに眠っても良い格好でそう言ってダンデはパタンとベッドに横になった。
今からダンデに催眠術を掛ける。もちろんダンデは了承済みだ。というのも、ここ最近ダンデにとって俺さまの催眠術はリラックス方法の一つになっている。その為眠りが浅いと感じたり疲労を自覚した時には俺さまに催眠術を掛けて欲しいと頼んだ。弱った時に頼れる恋人…ダンデからの信頼を感じて俺さまは密かにグッと来ている。
忙しいとはいえダンデにだって休憩時間はあるし、ちゃんと夜には家に帰るようにしている。けれど疲労が抜け切らない。つまるところ休むところを休みきれないのだ。思考の三割は休めていたとて思考の七割は次の予定新しい戦略手持ちの育成その他諸々、止まる事なく脳みそは回っている。そこで俺さまの催眠術が呼び出される。催眠術には「集中の為に思考を制限する」手法もある。つまり今回の目的は俺さまが催眠術でダンデの思考の十割を休息に集中出来るように声を掛けて誘導するということだ。
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