朔間零BD2022 今日のESビルにはいつもよりにぎやかな声が響いていた。12階にあるリズムリンクの事務所内でお祝いのパーティが開かれているのだ。
「零くんがハタチかぁ。もっといってそうに見えるけど、俺と一つしか変わらないんだよね」
「普段ジジイぶってるからそう見えるんじゃね~の?」
「朔間先輩はとても大人びて見える。外見はもちろんだが、俺たちと同年代にしてはかなり博識で、頭の回転が早い。そういった知性面においても言えることだな」
「亀の甲より年の功ってやつだね」
今日は11月2日、零の誕生日。20歳として大人の階段を一つ上る。彼の記念すべき節目を祝うために事務所内外から多くの人がパーティ会場に訪れていた。
零の所属するユニット『UNDEAD』の仲間である薫、晃牙、アドニスもパーティに参加していた。三人はこの日のために用意されたおしゃれな軽食をたしなみながら、会場内の様子を遠巻きに眺める。開始から一時間ほどが経ち、宴の様相も落ち着きを見せ始めた頃だった。
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