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    はぱまる

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    はぱまる

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    心がわやわやしたのをダーッと書いただけなので滅茶苦茶読みにくいと思う。恥を得たら消します。

    幼子の癇癪「お母さんはもう、ずっとあなたの為に何でもしてあげられるわけじゃないのよ」
     その言葉だけで、どうしてこんなに体が強張るのだろう。



     明日僕は高校を卒業するらしい。正直、未だ実感が湧かない。明日は卒業式だから、と急に告げられたのは、ボーッと音楽を聞いていた時だった。急、と感じた。母からすれば、昼に寝て夕方起きてご飯も食べずに音楽を聞くだけの僕に、心配をしたのかもしれない。焦ったく思ったのか。
     時間や場所を調べるよう、言われた。急、と感じたし、今は音楽を聞きたいから後でやろうか、それとも忘れないうちがいいか、あのプリントは何処へやったか、と考えた。考えていると、母が言ったのだ。
    「もしかして、またお母さんが全部やってくれると思ってた?」
     息が止まった。思考が一度止まったし、喉の奥が詰まったように感じた。
    「思ってた、思ってなかった、二択。答えてください」
     そんな言い方ないだろう。そうは思うのに、なにも言えない。頭の中では「なにも考えてなかった」という答えがいつの間にか出ていて、どうにかそれを言わなくてはいけないと思うのに、声が出てこない。言ってしまえば怒られるんじゃないかと考えていた。怒られるのは、怖い。なにも考えてなかった僕が悪いのだろうけれど、ただ、怒られたくない、と感じていた。声が出なかった。「答えてください」と言われ、声を出さなくてはいけないと思うのに、何も言えない。声が出ない。体が強張る。
     それでもなんとか、なんとか、時間を掛けて体を動かして、母の下へ行き、答えを出した。なにも考えていなかった、と。それに対する答えは何だったか、もう思い出せない。ただ、呆れていたように思う。怒られはしなかったけれど、何度目かの失望をさせたように思う。それに僕は、勝手に期待されたと思ったし、それを裏切ってしまったと思ったし、どうして僕の成長を感じているのかとも思った。ずっと、子供のままだった。何もできないままだった。それが何か変わったと、思えないままだった。
     僕は高校を卒業するらしい。子供の時間は終わり、大人にならなくてはいけないらしい。親に何時迄も頼らず、ひとりで生きていけるようにならなくてはいけないらしい。ずっと、実感が湧かないまま、けれどそうならなくてはいけないという焦りや不安はジワジワと蝕んでくるまま、僕はどうにも動けないでいる。世界が勝手に動いて、僕を勝手に連れていくだけで、僕自身は自ら何かをしようとしていない。ただ、こうしなくてはいけないらしい、だけで動いている。こうしなくてはいけない、の中から与えられた選択肢から、選ばなくてはいけないから好きに選んで、進まなくてはいけないから進んでいる。
    「ひとりで生きていけるようにならないといけないのよ」
     どうして、と思った。見捨てられるの、とすら思った。今までずっと世話してくれたじゃないか、なんて醜いことを思った。ずっと、ずっと、そばに居て、色々とやってくれて、貴女がそうしたから僕はひとりで立てないのじゃないの。なんて、責任転嫁も甚だしい。僕が立とうとしなかっただけだ。でも、でも、急に、大人になりなさいなんて言われたって、分からない。それとも急ではないのか。ずっと言っていたのか。僕が目を逸らし続けていただけか……。
    「お母さんがずっと何でもしてあげられるわけじゃないのよ」
     体が強張る。動けない。声が出せない。頭だけが回る。そんな中、母を見て、なんだか、追い詰められているようだと感じた。彼女もまた、つらいのかと思った。親は親という生き物ではなく、彼女もまた人間のひとつだった。どうして人間なんだろう。どうして人間が子育てをするのだろう。そんな不完全な存在ではなく、もっと、神様だとか、完璧な存在が子育てをしてくれたなら、もっと良いだろうに。そうしたらきっと僕もこうはならなかったんじゃないか。彼女だってそうなんじゃないか。どうして親は人間なんだろう。
     どうして僕は人間なんだろう。どうして僕は人間なのに、キチンとした人間で在れないのだろう。もっと、普通の、ちゃんとした人間だったら、あの人ももっと楽に生きられた? 僕が僕だからそんなに苦しんでいるの? でも愛したのはそっちじゃないか。一度手放したくせに、そばに居たいと望んだのはそっちじゃないか! 育てられないならそのまま手放せばよかったんだ。なんて、嗚呼、なんて酷いことを考えるんだ。でも、僕は、貴女に産んでもらえてよかったと、素直には思えなくなってしまったよ。もっと酷い親なんて五万と居るのだろうけど。貴女を、素直に、親としてよろしい人間だとは、言えなくなってしまった。どうして僕を産んだの、と、思うような人間になってしまった。だって、貴女は、当時、子供を産んで育てて大丈夫な状況だった? 僕が居たから生きていると言うけれど、僕を産んで親となって大丈夫な状態ではなかったんじゃないのか。どうして産もうと思ったの。子供を産むってそんなによいこと?
     どうして産んだの。どうして育てたいと思ったの。それが親の愛情というものなの? その所為で、そのお陰で、僕はこうして育ったよ。これで、いいの。よかったの。僕はこれでいいの。分からないよ。
    「明日で卒業かぁ……頑張ったわね」
     そう母は涙ぐんだけれど、僕は、素直に頑張ったとは思えなかった。あんなの、だって、ズルじゃないか。先生方の御厚意で単位を貰ったようなものじゃないか。あの人達が僕を卒業させたがったんじゃないか。僕は大人になりたいなんて一言も言ってないのに!
     大人にならないといけない。ずっと子供のままではいられない。微温湯の中に居続けるわけにはいかない。判ってる。判ってるのに、解れない。それでも僕は明日卒業するし、その後は大学に行くし、お仕事も探さないといけない。小中高と碌に学ばずここまで来た僕は、大学でようやっと自力でどうにかしないといけなくなった。そしてようやっと社会に出て働かなくてはいけなくなった。もう、モラトリアムは終わるのだ。タイムリミットが迫ってる。何時迄も先延ばしにはできない。
     怖い。心臓が縮まって強張るような感覚がする。それでも僕は人間にならなくちゃいけないらしい。大人にならなくちゃいけないらしい。
     どうして
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    はぱまる

    MAIKING書き掛けで放置してあった互いに成り代わる🌟❄️です。滅茶苦茶中途半端なとこで終わる。
    その内完成させたいとは思ってるんだけど、暫く手をつけられそうにないから今の状態を投稿してみます。
    完成させるなら今書いてある部分にも修正を加える予定。書いたの結構前なのもあって本当変えたい部分が沢山ある……。けど、まあ、これを読んでもし「ここ好き!」ってなったところがあったら教えていただけると嬉しいです🥳
    死に代わり 雨が降っていた。
     雲が重く空にのしかかり、空気さえも暗い都内は雨音ばかりで何処か静かにも思えた。
     雨が降っていた。
     傘も刺さず、少女は歩道橋から道路を見下ろしていた。
     雨が降っていた。
     道路には幾つもの車が水溜りを蹴飛ばしながら走っていた。
     雨が降っていた。
     少年が傘を握り締め歩いていた。
     雨が降っていた。
     少女が手摺りによじ登った。
     雨が降っていた。
     少年が少女に気がついた。
     雨が降っていた。
     少女は手摺りの向こう側で、ゆらゆらとしていた。
     雨が降っていた。
     少年は傘を投げ捨て走っていた。
     雨が降っていた。
     少女の体が揺れ、揺れ、ガクンとバランスを崩した。
     雨が降っていた。
     少年が少女を追った。
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