洗濯物(あんま関係ない)「山形!!お前また洗濯物回さなかっただろ!!!あとで着るもんなくて困るのはお前だけじゃないんだからな!!!」
「おぅ、今日はまた随分とご機嫌ナナメだなァ」
なんだか知らないが今日は山形の機嫌がめちゃくちゃいい。もうとにかく、めちゃくちゃに、だ。
ニヤニヤした顔のまま、俺の怒声を気にするまでもなく近づいてきて、俺はベットに押し倒された。
あまりに唐突過ぎて頭が状況を処理しきれずフリーズしている間に、いつ用意したのか、山形はサイドテーブルの上のペットボトルの水とクスリを口に含んで俺のポカンとして締まらなくなってるそこに深いキスをした。と同時に口内に異物が転がり込んでくる。
「ンんッッ!?」
これまたあまりに唐突すぎて変な声が出てしまった。なんだか恥ずかしくて動揺していたから反応が遅れてしまったのが良くなかった。
俺は入り込んできたそれを口から出したくて抵抗するけど、時すでに遅し。肉厚な舌が俺の些細な抵抗も飲み込んで口内を蹂躙する。もう退路は既に閉ざされている。俺は諦めてそれを飲み込んだ。
山形は俺の喉仏が上下するのを確認してふっと目を細めた。その鋭い眼光は、俺の身体中に張り巡らされているありとあらゆる神経をしびれさせて使い物にならなくさせた。
見つめられるだけで体の内部からドロドロに溶かされていくような感覚が恐ろしい。もう洗濯物のこことか考えることすら億劫になって、とにかく酸素を求めてひたすらに足掻いた。こうやって状況に流されっぱなしなのを本当は良くないことだとわかっているけれど、それでもどこか喜んでいる自分がいて、おい甲斐、お前コイツに甘すぎだぜ、だなんて客観視してる自分がどこかにいる。
お望み通りクスリは飲み込んだのに、まだまだ深いキスは続く。山形は鼻で呼吸しながらキスするのが上手いのか、俺の事なんかお構い無しだ。
「ンんッッ…ふ、…………ンんん!!!」
さすがに耐えられなくなってどんどんと胸を叩いた後、やっと解放された。どちらのものともつかない銀糸がお互いを橋渡しする。
「はぁ、はァ、、はぁ……、おまえ、少しは加減しろ……………」
「無理だな」
「すぐ開き直んな!ばか」
「そう強がってられンのも今のうちだぜ」