或る二匹の鬼の話進捗.
ザンザンザンザンザンザンザンザン
「や~すっごい雨だな。まいったまいった」
けぶる夕闇の中、狐のまとう紅の衣だけが鮮やかに色づいている。
土足のまま上がり込んできた足はまるで濡れていない。肩に担いでいたソレをぞんざいな所作で広縁の板敷の上に降ろした。ごとりと、頭蓋の重みを感じさせる鈍い音が響いた。
「[[rb:コ > ・]][[rb:レ > ・]]、お前に返すな」
おそ松はそこに横たわる[[rb:骸 > むくろ]]を見下ろした。
「───って、これ……カラ松?」
ザンザンザンザンザンザンザンザン……
青行燈
赤々と燃える[[rb:篝火 > かがりび]]が、盃を干したカラ松の穏やかな横顔を照らしている。ぱちぱちと木のはぜる音が静かな[[rb:石室 > いわむろ]]に響く。
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