純粋でありふれた恋の進展今日は付き合って初めて一緒に登校する日だ。
今までもルカの朝練がない日は一緒に登校してたんだけど恋人って肩書になるとなんだか小っ恥ずかしくて洗面所の前で奮闘してたらいつの間にか家を出る時間ギリギリになっていて、コートを着てマフラーも付けて家を飛び出した。
「ルカ!おはよ、ごめんちょっと遅れちゃった。寒かったでしょ。」
外で待ってくれているルカは案の定コートも着てないしマフラーも付けていない。
「POGシュウおはよう!全然大丈夫だよ!じゃあいこっか!」
「うん。」
さりげなく車道側を歩いてくれるルカは寒さのせいで鼻の頭が赤い。下のほうに目をやるとルカの手があって、僕が少し手を伸ばせば手を繋げそうだ。あと少し、あと少しというところでルカの手は揺れて届かない。
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