おはよう「ちょっと、柔らかくない?」
「大丈夫だよ、後から冷蔵庫で休ませるから」
「こっちはチョコチップ入れてもいいかな?」
「じゃあ、ナッツも入れようよ!」
音が響く。複数人の声が聞こえてくる。和気あいあいとした会話に意識が浮上し、目が覚めた。眩しい日差しに手で目を覆いながら、KKは寝がえりを打ち、窓に背を向けた。光に目を慣らすと、ゆっくりと起き上がる。
「あー、いま、なんじだ?」
壁掛けの時計を目にする。時刻は昼の11時を過ぎたところであった。大きく欠伸をしたKKは眠たそうに、後頭部とお尻をかく姿はおっさんそのものである。暁人が用意したお揃いのスウェットを着たまま、寝室から出ていくと、賑やかな声が聞こえる方へと足を運ぶ。
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