おにぎりをかじる瞬間って、ワクワクする。やっと食事にありつけるという空腹からの欲と、さあて具はなんだろうかという期待感がないまぜになるからだ。
それが、恋人の手料理であったならば尚更。
だから三井はいつも以上に期待感を持って、がぶり、と齧り付いた。モシャモシャと咀嚼して、目をつぶって具の予想を立てる。ジューシーで甘くて、なんだか不思議な味わい。ツナでもないしおかかでもない。全然わからねぇ。
ドキドキしながら目を開けて、大きなおにぎりに視線を落として。
「エッッッッッッッ…………!?!?………ッッ!?!?!?」
絶句した。
だって、なんか、なんかアレだ。なんというか、なんというかだ。
目をこする。変わらない。深呼吸して頬をつねって、水道まで走って行って頭から水を浴びても、なにも変わらない。
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