lose an eye※注意※
・類司設定
・司が事故に合う、失明する
・ちょい不穏
・他の人の目を移植すると視力が戻るという謎設定
それでも良い方のみ↓↓↓
「ウワアアアアアアアアアアアアッ」
やばいぞ今日ワンダーステージで練習する予定だったのに、寝坊してしまった急がなくては
俺は大急ぎで準備し、急いで家を出る。
「お兄ちゃん、気をつけてね〜」
「おうわかっぞ」
そうして俺は家を出た。
「集合時間まであと10分しかない急げ」
そして俺は猛ダッシュで集合場所に向かう。
信号があった。点滅していたが渡りきれるだろうと思い渡る。
しかしそこで転んでしまった。
「痛てっ……」
幸いケガはないようだ。
だが……もう信号は赤になってしまった。
そこにトラックが走ってくる。
「……え?」
キキーッ!!!! ドンッ!!
宙を舞った俺の体はそのまま地面に叩きつけられた。
その衝撃で思いっきり目を地面にぶつけてしまう。
痛い……意識が遠くなっていく……。
「司くんがまだ来ていない?」
「いつも最低で5分前には来るはずなんだけど、どうしちゃったのかな?」
「何かあったんじゃ………」
もしかしたら寧々が言う通り、司くんに何かあったのではないだろうか。
「……僕、ちょっと確認してくる。」
「えっ類!?危ないわよ!」
「大丈夫だよ。えむくんと寧々は待っててくれ。」
僕は急いで走り出した。
おかしい。いくらなんでも遅すぎる。
電話にも出ないなんて初めてだ。
横断歩道のあるところで人が群がっている。
なんだろうと近寄っていくとそこには血溜まりができていた。
トラックに人が轢かれたらしい。
倒れている人を見た。
「司くん」
僕は司くんに駆け寄った。
意識がない。呼吸はしているものの弱々しい。
目をから出血していた。おそらく頭を打ったんだろう。
「大丈夫ですか」
救急車が到着したようだ。担架に乗せられ運ばれていく。「僕たちも乗りましょう。」
救急車に乗り込む。
すると救急隊員の方が言った。
「君たちは知り合いかい?一緒に乗ってくれると助かるんだけど……」
「わかりました。」
僕はそのまま病院に向かった。
真っ暗だ。何も見えない。ここはどこだろう。さっきまでワンダーステージに向かっていたはずだが。
「司くん」
「司」
「お兄ちゃん」
えむと寧々と咲希の声だ。ただ、二人の姿が見えない。声だけが聞こえる。
「ここはどこなんだ?なんで何も見えないんだ?」
「ここは病院だよ。」
「司が何も見えていないのは目元に包帯を巻いているからだと思う。詳しい話は類が医者から聞いてくると思うけど。」
「そうか。ありがとうな。」
扉を開ける音がした。誰か入ってくるのか。
「司くん………」
類の声だ。
「類くんおかえり、司くんについてなにか言われた?」
「………………みんな落ち着いて聴いてほしい。」
俺は息を飲む。
「司くんの目は失明してる」
………え?
「うそ……」
「そんなことないよね?」
「僕だって信じたくないよ。でも事実なんだ。」
「嘘だろ……」
類は続けて話す。
どうやら俺は車に跳ねられたあと、近くの病院に搬送されたそうだ。
だが、目が傷ついていたらしく、視力を取り戻すことは難しいと言われたらしい。
「そんな……治らないってこと?」
「治る方法はあるみたいなんだけど、眼球が傷ついているから誰かの眼球を移植するしか方法はないみたいだ。」
俺たちは絶句してしまった。
しばらく沈黙が続く。
「そんな、お兄ちゃんの目が……誰かの目を移植すれば、また見えるようになるんだよね?だったら私やる!私の目を……」
「だめだ。」
「どうして!?」
「俺はお前の目を犠牲にしたくない。」
それに声が震えてた。それに、もし手術に失敗したら取り返しのつかないことになるかもしれない。
「司くん………」
「司………」
「…………」
病室内が静まり返った。
司くんが失明した。
治す方法があるが、その方法をするには、誰かの目玉が必要になる。
この場ですぐに決められることじゃない。
とりあえず、今日は解散することになった。
「司くん………。」
どうしたらいいのだろうか。彼を助けるには………。
僕は自分の部屋で悩んでいた。
『俺はお前の目を犠牲にしたくない。』
司くんが妹さんに言った言葉だ。
多分、えむくんも寧々も僕も同じことを言っていたら同じ選択をしていただろう。
でも、僕は………司くんを………。
「助けたい。」
そう呟いた瞬間、僕の頭にアイデアが浮かんできた。
「できるかどうかわからないけど、やって見る価値はあるな。」
そして僕は準備を始めた。
翌日、病院に行った。
今日は司くんのお見舞いではなく、司くんの診察をした先生に会うためだ。
「失礼します。」
中に入ると、司くんの診察をした先生がいた。
「おお、天馬くんのお友達さんか。どうしたんだい?」
「実はお願いがあってきました。」
「お願い?」
「はい、司くんを助けられるかもしれません。」
僕は昨日思いついたアイデアを説明した。
あの日から1週間たった。
ずっと真っ暗なままだ。
何も見えない。
俺の目はもう光を感じることはできないのだ。
「司さん、入りますよ。」
「はい」
声てきには俺を診察してくれた医師だ。
「司さんに伝えたいことがあります。」
「伝えたいこと……?」
「はい、手術をすれば片目の視力は戻る可能性があります。」
「本当ですか!?けれど目を治すのは移植だけだったんじゃ………」
「いえ、片目だけなら手術だけで行けるんです。」
「………片目だけでもいいです。片目だけでも見えるようになったら、前より難しいだろうけれど、ショーができると思うので……お願いします。」
俺は頭を下げた。
「わかりました。では、明日に手術をしましょう。」
「ありがとうございます!」
これでみんなの笑顔を見ることができる。よかった……。本当に。
次の日の、手術が行われた。
手術は無事に終わった。
麻酔から目がさめた時、真っ暗だった視界に光が見えた。
「お兄ちゃん」
咲希の声だ。いや咲希がいるのがわかる。
「見える………左目だけだが、咲希がみえるぞ……!!!」
これでまたみんなとショーができる前みたいに生活できる。
手術が終わって片目が見えるようにはなったものの、なれるために少し入院することになった。
今までトイレに行くのすら大変だったが、片目が見えるようになっただけで行きやすくなった。
トイレに行って手を洗っていたときに鏡を見た。
いつもどうりの顔だ。いや、なんか違うような………。猫の目のような黄色い色。
_____俺の左目ってこんな色だったっけ?
手術から2週間後、俺は退院し、学校に通えるようになった。ただ、右目は見えていないから、前より視野が狭いけど。
「司先輩、おはようございます。」
「むっ冬弥かおはよう」
「元気そうで良かったです。」
「ああ、心配かけたな。」
俺はそのまま冬弥と学校に向かった。
「おー天馬おはよう。」
「久しぶりだな。」
「大丈夫だったか?」
声をかけてくれるクラスメイトたち。
みんな優しかった。
授業を受け、昼休みになった。
「あっ司。」
「おおっ寧々じゃないか」
「うるさっ……元気そうで良かった。」
「ああ!この通りだ!………そういえば類を見てないか?」
「見てないけど……どうしたの?何かあったの?」
「いや、最近会えてなくてな。」
手術後のお見舞いにえむや寧々、咲希や冬弥が来てくれたが、類の姿を見ていない。
「まあ屋上にいるんじゃない?行けばいいんじゃない?」
「そうだな!行ってみる。」
俺は屋上へと向かった。ガチャッ 扉を開けると、そこには類の姿があった。
「類!!!」
「うわぁっ!?……司くん?」
そこには類の姿があった。ただ、左目に眼帯をつけていた。
「なんだそれ………。」
「………これは、その……、演出道具作ってるときにここに道具が落ちちゃったんだ。」
「………ちょっと見るぞ。」
「えっちょっ司くん」
俺は類の眼帯をとった。
痣がなかった。その代わりに傷跡のようなものが残っていた。
それに少し傷ついた眼球。色は俺の右目と同じオレンジっぽい黄色。
「類、なぜ俺の左目がお前と同じ色になっているんだ?」
「それは……」
「答えてくれ。」
類は黙ってしまった。
「司くん、実はその目は僕の目なんだ。」
「……は?」
意味がわからなかった。
「だから、あの手術をした日、司くんの左目を取って僕の左目と入れ替えたんだ。」
………そんなの聞いていない。だって医者からは移植以外での手術法だよ。と言われたはず。
「なんで………?医者は移植以外での手術法だって………」
「あれは嘘だよ。僕が頼んだ。」
え?頼んだ?類が?
「どういうことなんだ?」
「………今から教えるね。」
「君の片目を天馬くんに移植する?」
「はい、僕と司くんの目の色は似ているのでごまかせられると思いますし、何より司くんの目が片目だけでも良いので見えるようになって欲しいんです。」
それに司くんはショーができなくなってしまったということにショックを受けていた。
だから片目だけでも目が見えるようになればまたショーができる。
「僕はその手術法でも良いけれど、でも天馬くんが嫌がるんじゃないかい?」
「そのところに関しては移植ではなく、片目だけなら移植ではない手術だけで治ると言う風に伝えてください。」
司くんの性格上、そういえば信じてくれるだろう。
「なるほど、それで納得してくれるかな……。わかった。天馬くんにそのように話してみるね。」
「………というわけなんだ。」
つまり類は俺のために医者と話して目の移植手術をした。ということになるだろうか。
「ごめんね司くん。でも、司くんには輝いていてほしんだ。だからこうするしかなかったんだ。」
申し訳無さそうに言った。
「その気持はありがたいが、類に何も見えなくなってしまって苦しい思いをしてほしくない。」
何も見えなかったときの苦しさ。
みんなの声が聞こえるのに見えない。少しの光すら見えない真っ暗な世界。
怖かった。
「大丈夫だよ。」
類が俺を包み込むように抱きつく。温かい。
「僕はね、自分の目を失うことより、司くんが苦しんでいるところを見るほうが嫌だった。」
「類………。」
もしかしたら類は俺のことをあの暗闇から助けてくれたのかもしれない。
いや、助けてくれたんだ。明かりすら見ることを許してくれないセカイから。
「………ありがとう。」
類は俺の救世主だな。そう思った