『ふーふーちゃん、今から家行ってもいい…?』
「は? …なんかあったか?』
『んん…ちょっと、一人でホラーゲームして』
「ああ…びっくりした。泣きそうな声だから心配しただろ。今から、…夜道一人で怖くないか?」
『…我慢する。一人で寝なきゃいけないほうが怖いもん』
「俺がそっち行こうか?」
『今あんまり部屋の掃除できてないからやだ』
「絶対俺の部屋より綺麗だけどな。ん、オーケー、そしたら迎えに行くから、一緒にお菓子でも買ってこっちに戻ろう。それなら浮奇は怖くない?」
『…ふーふーちゃんは優しすぎる』
「好きなヤツに優しくするのなんて当たり前だろ」
『俺もいっぱい優しくしたいから、困ったことがあったらすぐ教えて? 俺に、一番に』
「その時はそうするよ」
『絶対だよ。約束。一人で我慢したら許さないからね』
「ふふ、ありがとう。それじゃあ少しだけ待ってて、すぐ行く、ってああ、別に電話しながらでいいか。俺と話してるほうが落ち着くだろ」
『そんな怖がりじゃないよ』
「一人で寝られないんじゃないのか?」
『それは、…怖がってるフリしてふーふーちゃんに甘えてるだけ、かも』
「それじゃあ怖がってるフリし続けてて。それで、俺は浮奇のこと甘やかし続ける」
『…ハグしたい』
「んー、俺はキスしたい」
『ねえ、もう、走ってきてよバカ。俺もそっち向かっていい?』
「暗くて危ないからダメ。すぐ着くからもっと可愛い声聞かせて? 明日、学校一緒に行けるな。朝ごはんは何食べたい?」
『なんでもいい。朝起こしてあげるね』
「俺が先に起きて浮奇のこと起こしたい」
『ふーふーちゃんの寝顔見たいから俺より先に寝て、俺より後に起きて』
「あはは! 俺はどんだけ寝坊助なんだ? 一緒に寝て、一緒に起きよう。じゃないとどっちかが文句を言うことになる」
『抜け駆け禁止ね?』
「約束しよう」