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    mainichi_ponpok

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    侑日webオンリー開催おめでとうございます!

    展示作品。侑日です!大好きな「泣き虫な侑とやさしくてかっこいい翔陽くん」を書きました。全年齢。高校時代から付き合ってる二人。時期としては翔陽くんがブラジル修行に行って一年たったあたりです。よろしくお願いします🙌

    #侑日
    urgeDay
    #トス君3
    #腐向けHQ
    hqForRottenFood

    愛では腹はふくれない。 なんで、泣かんなアカンねん。

     いや泣いてへんし!!別にぜんっぜん泣いてへんし!泣くようなこと、ちゃうし。


     翔陽くんが、高校卒業後ブラジル行き決めたと知った時、ホンマにこん人が好きやと思った。ホンマに輝いて見えた。会うたびバレー上手なりよるしよりいっそう好きになっていってた時期やったし。でも俺は同時に死ぬほど寂しかった。身体引き裂かれるくらい。やっとやっと、恋人になれたところやったし。それでも、好きやから。この気持ちは同居するねんな。

     でもなホンッマに久しぶりに、翔陽くんが日本に帰ってくる。今まで会えても数時間が限度なんがほとんどで、泊まりで会えたんは片手で事足りる。そんなかには、めちゃくちゃ無理して時間と金捻出してブラジルに会いにいったときも含まれる。そやから、今回の帰国で2日も一緒におれるってきいて俺は舞い上がった。しゃーないやん!会いたかってんもん。ずっと、ずっと。クリスマスの時期に会えるなんて思ってもなかったしな。
     翔陽くんは一回宮城の実家に帰って、次の日の昼にこっちに来るて言うてはった。今までの俺やったら、「はぁ?なんで俺に直接会いにこーへんの?」くらい言ってたと思うねんけど、そんなんどうでも良くなるくらい翔陽くんに会えるんが嬉しかった。やって、一晩一緒やで?しかも翔陽くんが会いに来てくれるんやで?俺が迎えに行くんとちゃうくて。翔陽くんから来てくれんねん。今年から寮出て正解やった。部屋に来てもらって俺ん家で一晩止まってくれんねん。


     完全なる片思い。まず覚えてもらうところからやった。何回俺のこと治って言うねん。顔で分かるやろ。かっこええ方が侑さんやって教えて、無理矢理連絡先交換して、めちゃくちゃビビられて、それでも諦めんと頻繁に連絡して絆して絆しようやっと恋人になれた。
     ほんで今日、初めてやねん。翔陽くんから誘ってくれたん。
     そやから、今日はホンマに楽しみにしててん。サプライズしたろって思って、治に無理矢理時間作らせて翔陽くんが好きなメシの作り方教えてもらってん。その後、しこたま回転寿司奢らされたげとな。翔陽くんは和食派やから、おでん仕込んで、肉食いたいやろからステーキ肉も買った。奮発して国産牛。あと、なんやテンション上がって高級ホテルのホールケーキまで買ってきてん。
     昼過ぎにはこっち来れる言うとったから、昼は豚の生姜焼き下ごしらえしとる。明日の朝飯用に治に頼んで仕入れた高級鮭も喜んでくれるやろな。もうすぐ、会えんねん。

     ちょっと緊張するわ。アホやけど。楽しみすぎてやな。
     掃除もしたし、全部用意終わらしてほっと一息いれたらスマホに着信。翔陽くんからや。到着の予定時間よりだいぶ早い。どないしたんやろ。
    「はい、もしもし。どないしたん?」
    「あ!侑さん。ごめんなさい!実は、停電で新幹線止まってて動きそうにないんです。復旧の目処も立たないみたいで、今日もう一日こっち泊まって明日会いに行っても良いですか?」
    「…」

     
    「侑さん?」
     しゃーないやん。トラブルなんやし。翔陽くん会いたないとは言ってへんし。気ィつけておいでって、早よ言わな。
    「あの、もしもーし、あつむさーん?」
    「…今日、会えるって言ったやん」
     何、言ってんねん。めんどくさすぎるやろ。やめなあかん。黙れ、クソ。黙らんかい。
    「ごめんなさい、侑さん、」
    「俺やったら、別の手段でもなんでも使って帰ってくるけどな」
     ちゃう、そんなん言いたくない。
    「そもそも、なんで初めに顔見せてくれへんの?」
     ホンマ何言ってんの俺。そら実家の方顔見せなアカンやろ。明日会えんねやからええやん!ホンマにやめてくれ!
    「えっと、侑さん、あの」
    「もうええよ。その程度やったって事やろ。別に無理して来んでええよ。そんまま、帰れや」

     ────────────

    「侑さん?」

    「…あ、そうなんや!!しゃーないやん、明日に楽しみ伸びたな!ほな、俺ん家やない方がええな!
    着いたら駅で落ち合って、近くで茶でもしばこーや。着く時連絡してな。ほな、気ぃつけて!!」

    「え、あつむさ」

     
    「あっっっぶな、」
     ホンマ、何してんの俺。めちゃめちゃ面倒くさい事言うてしまうところやった。そんなん言ったら絶対振られる。俺やったら、いや例え俺やなくても振るやろ。
     これ以上余計な事言ってしまうの怖いし、電話かかってくるのも嫌やったし電話切ったあとスマホの電源落とした。電話出た時は頭真っ白になって、今は真っ暗や。

     はーーどないすんねん。こんなメシ作ってもうて。ホンマ何してんねんやろ。アホくさ。柄にもなく張り切って、空回りして、勝手に期待して、思いたくもないこと自覚してしもうた。

     昨日、翔陽くんは高校の頃の仲間と会っててんて。そら、ええなって。翔陽くんにとって初めて出来たバレー仲間やって何度も楽しそうに語ってたし。それでも、考えんようにしてても考えてしまう。ずっと気付かんようにしてたんやけど、もう誤魔化されへん。
     俺は恋人になってた今でも「ついで」なんやって。翔陽くんには大切な人が何人もおって、その他大勢いる中の1人に過ぎんって。多分、優先順位もめっちゃ低い。
     でも、俺は俺の中で一番好きやから、めちゃくちゃ楽しみやった。2人きりで会えんの。そやからホンマはめちゃめちゃ腹立ってる。でも、嫌われたくないって気持ちのほうが勝ってんねん。今までやったら嫌われるとかどうでもよかった。好きな事言って好きなように振る舞って、それのツケ払わされてんのかな。

    「あーー、、、サムに会いたい、、」

     きっしょ、何口走ってんねん。そもそも会われへんけど。どんな顔して会うねん。今日翔陽くんと会うってあんなに何回も言ってねん。ダサすぎるやろ。でも会ってなんでもない話して、治のメシ食って、またバレーしたい。

     てか、ホンマにこのメシどうしよ。2人分でも多いしやな。そもそも生姜焼きと肉に関しては下ごしらえしかしてないんがダルい。焼くのも煮るのも揚げるのも出来る気せぇへん。そもそも食欲全然あれへん。メシ残したら治キレるやろな。そんなんかまってられへんけど。


     なんか、喉の奥痛いな。鼻水止まらんし。風邪ひいたんやろか。なんか、視界霞むし。めちゃめちゃ心臓も痛い。病気やろか。なんか、目からも鼻水出てるし。泣いてへんし。
     でも、絶対別れたくないて思ってるんが一番ダサい。人の気持ちなんてこれ以上、どうにも出来んやん。


     なんもしたなくて、そのままソファでふて寝したあと目が覚めたときすっかりあたりは暗くなってた。腹の虫がグルッと鳴ってこんな時でも腹って減んねやなって思ったらなんか吹っ切れた。ちゅーか、今のままではおれんことも考えていかんなあかんって覚悟した。
     俺には、やらなあかんこともやりたいこともやりたいことも沢山あんねん。ハイブリッドサーブ今シーズン中には習得したいしやな。バレーもっともっとしたいし。とりあえず、冷蔵庫に入れっぱなしになっとる豚を生姜焼きにしたろか。

     火つけて、治に教えてもらった特製の漬け込み液でしゅんでる豚をフライパンで焼く。ジューってめちゃめちゃええ音と食欲唆る香りがええ。

     外の廊下の駆け足が騒々しい。足音めちゃ近いな。隣帰ってきたんかな。と思った矢先に自分家のインターホンが鳴る。
    「ウチかい」
     って思わず独り言。一旦火止めて「誰やねん」ってカメラ覗いて、一目散に駆け寄って玄関のドア開けたら急いで走ってきたって分かるくらい湯気立ってる翔陽くんがそこにおった。

    「え、なに?夢?」
    「さっきの侑さん、少し様子が変だったからすごく心配になって、電話かけてもLINEしても反応ないし。迷惑かなって思っても、いても立ってもいられなくて。こんな時間に来て、ごめんなさい」
    早よ中入れたらな、寒かったやろし。翔陽くん来るなら生姜焼きやなくて、ステーキにしたら良かったな。てか、メシ食うたかな。
     あ、あかん…早よなんか言わな。どないしよ、なんやろ、なんか、今まで抑えとったもんが全部溢れそうや。
    「…うう、う、翔陽くん、ごめんなぁ〜〜!!でも好きやから、諦めんなアカンでも別れたくないねん〜〜まだ別れんとってほしい〜〜!!」



    やってしもうた。みっともな。でも止まらんねん。今日マジでなんやねん。大声でこんなわんわん泣いたんいつぶりやろ。

    「別れません!別れたかったら今ここにいません!!」

     ぎゅって抱きしめられて、もともと洪水状態の涙がもっと出そうになる。ホンマに好きやなぁって思った。



     翔陽くんに抱きしめられて、ようやっと落ち着いて玄関先で何してんねんって正気戻って、部屋ん中に翔陽くん通す。

     泣いてしもて、バツが悪い。狭いソファに2人きりで座ってる。翔陽くんが俺の顔見て優しく待ってくれとるのが分かる。

    「なんかこの部屋、めちゃいい匂いします。これからご飯だったんですか?」
    「…ホンマは、翔陽くんに、食べてもらいたくて」
    「え」
    「生姜焼き以外にもでっかいステーキ肉とか、ホールケーキとか、おでんも仕込んだし。明日の朝は焼き鮭と、わかめと豆腐の味噌汁も、あんねんで」
    「俺のためにですか?」
    「おん、めちゃ楽しみやったから。喜んでもらいたいって思ってサプライズしたかってん。俺めちゃめちゃ引くほど楽しみにしてて、ホンマはさっきの電話のとき翔陽くん俺に会うのんどうでもええんやって、拗ねて、こんなに好きやのに全然伝わらへんなって、思ってしもうてた」

     こんな泣き腫らした顔でなんも恥ずかしないやろって、全部洗いざらい話して、やっぱり後悔する。客観的に考えんでも重たいな…って、はぁ、嫌んなるわ。バレーと違いすぎるやろ。バレーは指針があるもん。でも、翔陽くんはどんなに強気でゴリ押ししても、ちっとも上手くいかへんわ。

     でも、別れませんってことは、ちょっとくらい期待してもええんやろか。

    「あの!」
    「え!なに!?」
     俺のでっかい声にも動じず、俺の顔真剣に見とる翔陽くん。顔が好きやなって思う。
    「勘違いされてたら嫌だから言いますが、俺、侑さんのことちゃんと好きです。実は今日新幹線動かないって知った時、俺もちょっと涙出ました」
    「そうなん?翔陽くんも泣いたん?」
    「はい。すごく会いたかったから。後から気付いて恥ずかしいけどすっごい後悔しました。真っ先に侑さんに会いに行けば良かったって。会えないって分かってからこんなに後悔するくらいならって」
     え、ホンマ?なんそれ、嬉しすぎる。可愛すぎる。
    「でも、侑さんの声聞いて泣いてる場合じゃないなって思って。心配もしましたけど、俺が会いたいんだって思って先輩にお願いして新幹線動いてる駅まで車出してもらったんです」
    「え、そうやってここまで来たん?」
    「はい。でも、やっぱり来て良かった。侑さんが俺のためにこんなにサプライズ用意して待ってくれてるなんて思わなかったし、すげー嬉しいです」
    「翔陽くん…」
    「しかも、こんなご馳走!俺の好きなものばっかり!俺めちゃ愛されてるの実感してます。俺は、そう思わせられてなくて悔しいけど、でも負けません!!俺、こうやって人の事好きになるの初めてで、上手く出来なくてごめんなさい。でも俺、ちゃんと俺のでっかい愛をそのまま伝えられるよう頑張ります!!だから別れるなんて言わないで下さい、まだ俺の恋人でいて下さい。お願いします」
    「ごめんな、翔陽くん。ホンマありがとう…」
     なんてことや。こんな事までしてもらっといて、こんな好かれてて、俺はホンマにポンコツや。伝わってる。ここまでこんな無理してきてくれて、ええ歳してわんわん泣いてる俺を受け入れて謝ってくれるやなんて。また、涙腺緩みそうになったけど流石にもう泣かれへん。笑って翔陽くんの愛を受け止めなバチが当たってまう。
    「もう、充分伝わっとる。別れたらへん!」
     俺からもギュッて抱きしめて笑いあう。
     今度は翔陽くんの腹からギュグルル、ってめちゃめちゃでっかい腹の虫が鳴って顔見合わせる。
    「翔陽くん、メシまだなん?」
    「実は、ここ来るとき気が気じゃなくてご飯食べ損ねてしまってて腹ペコなんです」
    「ほな今から一緒に食べようか。ご馳走いっぱいあんねんから!」

     俺もめちゃめちゃ腹減ってんねん。


     
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    mainichi_ponpok

    DONE侑日webオンリー開催おめでとうございます!

    展示作品。侑日です!大好きな「泣き虫な侑とやさしくてかっこいい翔陽くん」を書きました。全年齢。高校時代から付き合ってる二人。時期としては翔陽くんがブラジル修行に行って一年たったあたりです。よろしくお願いします🙌
    愛では腹はふくれない。 なんで、泣かんなアカンねん。

     いや泣いてへんし!!別にぜんっぜん泣いてへんし!泣くようなこと、ちゃうし。


     翔陽くんが、高校卒業後ブラジル行き決めたと知った時、ホンマにこん人が好きやと思った。ホンマに輝いて見えた。会うたびバレー上手なりよるしよりいっそう好きになっていってた時期やったし。でも俺は同時に死ぬほど寂しかった。身体引き裂かれるくらい。やっとやっと、恋人になれたところやったし。それでも、好きやから。この気持ちは同居するねんな。

     でもなホンッマに久しぶりに、翔陽くんが日本に帰ってくる。今まで会えても数時間が限度なんがほとんどで、泊まりで会えたんは片手で事足りる。そんなかには、めちゃくちゃ無理して時間と金捻出してブラジルに会いにいったときも含まれる。そやから、今回の帰国で2日も一緒におれるってきいて俺は舞い上がった。しゃーないやん!会いたかってんもん。ずっと、ずっと。クリスマスの時期に会えるなんて思ってもなかったしな。
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    愛では腹はふくれない。 なんで、泣かんなアカンねん。

     いや泣いてへんし!!別にぜんっぜん泣いてへんし!泣くようなこと、ちゃうし。


     翔陽くんが、高校卒業後ブラジル行き決めたと知った時、ホンマにこん人が好きやと思った。ホンマに輝いて見えた。会うたびバレー上手なりよるしよりいっそう好きになっていってた時期やったし。でも俺は同時に死ぬほど寂しかった。身体引き裂かれるくらい。やっとやっと、恋人になれたところやったし。それでも、好きやから。この気持ちは同居するねんな。

     でもなホンッマに久しぶりに、翔陽くんが日本に帰ってくる。今まで会えても数時間が限度なんがほとんどで、泊まりで会えたんは片手で事足りる。そんなかには、めちゃくちゃ無理して時間と金捻出してブラジルに会いにいったときも含まれる。そやから、今回の帰国で2日も一緒におれるってきいて俺は舞い上がった。しゃーないやん!会いたかってんもん。ずっと、ずっと。クリスマスの時期に会えるなんて思ってもなかったしな。
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