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    mainichi_ponpok

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    侑日ワンドロ参加します!「両片思い」お借りします。年齢操作。日向が稲荷崎で監督してるパロディです。

    #侑日
    urgeDay
    #年齢操作
    ageManipulation
    #パロディ
    parody

    約束の愛「翔陽くん!好きです付き合って下さい!」
    「誰が翔陽くんだ!日向監督と呼びなさい!」
    やって自分、翔陽くんやん。好きな人の名前は下の名前で呼びたいやん。


     日向翔陽。日本でバレーボールやってるやつで日向翔陽のことを知らんやつはおらん。恵まれてるとは言われへん身長を非凡な才能と跳躍力でないものにする日本のバレーを支えたエースや。つい最近までアーザス・サン・パウロの選手やって、日本戻ってきてどっかでプレーするんちゃうか言われてた思ったらサクッと引退して俺らの入学と共に稲荷崎の監督に就任しよった。
     プレースタイルかっこええし、バレー上手いし、テレビの前でめっちゃ応援してたしそら最初はテンション上がったけど反発はあるやん。選手でええとこまで行ったからってなんなん?言うて日向翔陽はオリンピックで金メダルとってへんし。そもそも日向翔陽は指導者としてはどうなん?何事も経験値って大事やん。あんな童顔で俺らのこと指導できんのかいって穿った見方しててん。

     ただの杞憂に終わったけどな。日向監督は体育会系やけど厳しくはない。中学までの監督と比べて威厳もない。でもちゃうねん。怖いねん。怖さの種類が北さんやねん。一瞬でも寄り道したらなんとも言えん表情で正論飛ばしてきよる。それにいっつもニコニコしとる分、北さんより怖いねん。なんで正論パンチ喰らわすときに目にハイライトないねん。さっきまでキラキラしくさってたやん。
     そやから信頼はしてるけど苦手な存在のはずやってん。

     
     その日はたしか、部活の自主練早めに切り上げて部室戻って日誌書いとるときやった。3年なって主将になって部長会議とかも出やなアカンしバレー日誌とか書かなアカンし、そういう雑務苦手で気が滅入ってるときやった。
    「まだいたのか」
    監督の成人男性にしては少し高い声が聞こえて、少し身震いした。
    「お疲れ様です」
    「日誌書いてんのか」
    「はい、」
    「侑、こういうの苦手だろ?」
    「は、はい」
    「俺も苦手だったなぁ。そんな事してる暇があるんだったらバレーしてたいってよく思ってた。部長じゃないのにそう思うんだから、侑はもっと大変だと思う」
     なんやねん、それ。信じられへんかった。やって、俺にとって北さんの上の人やから。でもそんなんやったら俺と一緒やん。こんな事してる暇あったらもっとおもろいプレーしたい。時間全然足りひん。せやのに、バレー以外にもやらなアカン事が増えた。北さんが当然の様にやっとった事。俺には全部鬱陶しい。でも、やらんのは逃げてるってこととおんなじや。仕方なくやってんねん。全部バレー思いっきりやる為なら別にかまへんけどってやってんねん。そう思われとるのは分かっててん。
    「でも、全部バレーになるって思えば頑張れるんだよな。苦手な事頑張ってえらいな!」
     ふわっと、頭にあったかくて硬い感触がした。
    「あ、ごめんつい!勝手に触ってごめんな?」
    「監督、あの」
    「ごめんごめん、せっかくかっこよくセットしてんのに」
    「あの、もっかいしてください」
    「お、おう。いいよ」
     お願いしてもう一回フワーッと触られた瞬間、ガターーン!!ってめっちゃデカい音がした。なんで俺は立ってんのやろ?そんなんどうでもええか。監督なんでそんな口開けてん、なんやかわいいな。かわいい?せや、ええやん。かわええやん。監督って下の名前なんやっけ?あ、そうや。

    「翔陽くん彼女おる?おらんやったら俺と付き合って下さい!!
    おっても別れて俺と付き合って下さい!!」

    口あんぐり開けたまんま微動だにせん翔陽くんの代わりに頭ん中で治の「アホや」という声が聞こえた。誰がアホやねん。


     そんで、冒頭に戻る訳やねんけど。

     それからというもの俺は来る日も来る日も翔陽くんに愛の告白をした。そんで、毎回丁寧にお返しされる。毎日これの繰り返しや。「愛の大安売りやな」って治に言われてどついたった。毎回時価じゃアホ!毎日好きが更新されんねん。

     
    「翔陽くん、彼女も彼氏もおらんのなら、なんでダメなんですかー?」
    「日向監督な?」
     アカン。また、やってしもた。やって呼びたいねんもん。しゃーないやん。ハイライト消さんでくださいよ。
    「監督ぅー、なんでダメなんですか?俺結構モテますねんで!惜しい人材やと思いまっせ?!」
    「それは侑のことが好きな子だろ?侑も侑を好きになってくれる子と付き合った方がいい」
    「俺が男やからアカンのですか?今どき古いですよそんなん!お試しでもええから!」
    「お試しなんて自分を安売りする様なことそうそう言うもんじゃない!それにそういう問題じゃないよ。男でも女でもダメ」
    「じゃあ、何がアカンのですかー?」
    「お前は高校生で俺は指導者。もし万が一俺がオッケーしちゃったら俺は監督クビになるし、今もらってる仕事も全部なくなっちゃうの!」
    「俺、来年からVリーグ選手やし、養ったりますよ?」
    「俺はあいにくヒモ体質でもない!侑こそなんで俺みたいなオッサンがいいんだよ」

    そんなん俺にも分からん。
    でも翔陽くんがええんやもん。

     困らせたいわけやない。でも、折れてくれたらラッキーや。
     やって俺のこういう時のこういう態度に大人は弱いやろ?やから、翔陽くんにも通じるって思ってたんや。この時までは。
     

     

    「侑、侑が今本気で俺に気持ちをくれる事、俺はすごく嬉しいよ」
    「そやったら、試すぐらいええやないですか」
    「お前はまだ未成年で今思ってることが来年変わるかも知れない」
    「変わらへんです」
    「そんなの来年になってみないと分からない」
    「変わらへんです!!変われへん!!」
    「先の事は誰にも分からない。俺にだって分からない。だって変わっていいんだから。変わることの方が正常だから。それは侑にとっては成長で良い事なんだ。でも変わってしまったとき、変わる前の事はもう取り戻せないんだよ。侑にそういう後悔をしてほしくないんだよ」
    「変われへんし、もし変わったとしても後悔なんかせえへん。それに、そんなん俺の責任ですやん」
    「それは、違うよ。まだ、侑に自分の責任をとる力はない。そんな事出来ないしさせちゃダメなんだ。だから大人の俺に頼っていい。頼るべきだ」
    「やったら!」
    「でも今侑の気持ちを受け取る事は俺が侑に頼るってことになる。恋人って与え合う人たちの事だろ?でも俺と侑の間にそんな事は許されないんだ。俺が侑の気持ちに応えることは侑にとっては毒なだけだよ」
    「それでもええ!毒でもええ!」
    「侑」
    「そんなんどうでもええです!!一般論なんてどうでもええ!!監督の気持ちが聞きたいんです!!」

    「侑のこと、そんな風に見た事はない」

     嘘や。嘘やって分かる。いや、多分やけど。可能性くらいあるはずやねん。そやのに、なんで目のハイライト消すねん。もうなんも言われへんやんか。




     バタン!っ玄関が開く音がしてサムが帰ってきたんが分かった。モゾモゾと寝返りをうって治が早よ部屋にこんかなって思ってしまってる自分を打ち消した。なんやねんそれ、寂しがり屋か。
    「お前何してんねん」
    「サムのベッドで寝とる」
    「やめぇや」
    「下の方が落ち着くねんもん」
    「お前が上がええ言うたんやろ。ええ加減せえよ、お前」
    「はいはい。サムのケチ!」
     モゾモゾと這い出て二段ベットの2階に移動する。布団が冷やっこくて身震いする。布団も持ってくればよかった。温めたんは俺やのに。
    「そうやのうて」
     治はなんでもお見通しや。そういうところが好かんけど、でも頼ってしまう。ていうか、待てや。自分机に座ってジャンプ読んでるやん。寝とったってええやん!ホンマ、ケチやな。言わへんけど。腹いせに今度またプリン食べたろ。
    「俺はもうホンマに監督とはアカンのかな?期待しても意味ないんかな?」
    「せやろな」
    「なんやねん!もうちょっと優しさ見せてくれたってええやん!」
    「ツム、お前気休めで、そんなことないで〜。がんばりや〜。って言われたいんか?ダッサ」
    「う、うっさいねん」
    「大体お前なぁ、近所の合田さんちのシロにしっぽ振られて好きや好きや付き合ってって言われてはいお願いしますって言うか?言わへんやろ?」
    「誰が犬や!!」
    「モノの例えや!!そんだけおんなじ世界におっても見えてる世界が違うんや。お前と監督は。監督のことが好きならもう困らせん方がええんとちゃうか」

     俺は、舐めてた。翔陽くんも俺自身のことも。俺が丸めこめる大人なんか俺が正気を忘れるほど好きになる訳なかったんや。やって俺、したないことしたないもん。
     俺は、優しくて正しい瞳で俺を見つめながら俺を拒絶する翔陽くんのことを好きになったんや。

     せやからホンマは分かってる。サムが言っとる事も、翔陽くんが俺を、選手を、大切にしてくれとる事もちゃんと分かってんねん。でも、こんなに欲しいものの諦め方が分からんのや。


     その日から、愛の告白は見送った。



     引退のときも見送れてん。やって、困らせる気なんてあれへん。幸せにしたかった。それはホンマやねん。せやからずっと諦め方も探してんねん。でもどこ探してもそんなん無かった。
     でもな、今日卒業式やねん。これが終わったら明日から学校には来られん。部外者は入れんくなる。翔陽くんと俺は部外者になんねん。今日が最後のチャンスやねん。


    「侑、卒業おめでとう」
    「ありがとうございます」
     
     嫌がられてんのかもしれん。困らせてるのも分かってても止めんで欲しかった。止めんとって、翔陽くん。そう願わんでも翔陽くんは一回も俺の愛の告白を制止したことは無かったことを思い出した。
    「あの、監督」
    「なんだ?」
    「日向監督。いや日向翔陽さん、俺はあなたが好きです。付き合ってください」
    「侑、ごめんね」
    「俺が…シロやからですか?」
    「シロ?」
    「なんでもないです。忘れて下さい」
     治のアホ。最後やのに余計なこと言うてもうた。
     そんで、なんで翔陽くんは笑とんねん。
     翔陽くんは俺が愛の告白をするとき大体焦ってるか困ってるか呆れてるかのどれかや。せやのに、今日は笑ってはる。優しく笑顔でおってくれはる。そういうところ、めっちゃ嫌いや。
    「侑。侑が俺と同じ歳になって、もしそれでも俺が好きだったらもう一回好きだって言いにきて」
    「そんなん頼まれんでもするわ!!そやけど、何年も先や。でも監督言うてたやん!!俺は変わらん言うてるのに、先のことは分かれへんのやろ!?待っててくれへんのやろ!?そんなん惨いわ!!酷すぎる!!」
     あまりの理不尽さに俺は敬語も忘れて怒鳴りつけてしもた。そやのに、翔陽くんは笑っとる。俺は涙必死に堪えて泣かん様にしとるのに。怒りに任せて無礼な事してんのに。なんで?なんでなん。なんでこんなに理不尽に優しいんや。
    「そりゃ、俺の方が何年も先に生まれたんだから、仕方ないよ。でも俺は侑との約束を絶対忘れたりしないから」
    「ズルいですやん」
    「ごめんな」
    「俺も、監督と同い年が良かった」
    「そうだね」
     そうだねってなんやねん。翔陽くんのアホ。
    「ごめんな」
     なんも響かん。なんも届かん。そんなん知っとった。知っとったけど。
    「謝んとって下さい」
    「うん、ありがとう」

    翔陽くんだけズルい。俺も言いたかった。
    3年間ありがとうございましたって言われへんかった。





     でも俺は有言実行の男やねん。期限伸ばしたのはあっちやし、俺は大事な人との約束守るタイプや。ほんで、負けるくらいやったら死んだ方がマシな性分や。
     32歳。現役Vリーグ選手。独身。童貞。キモいほどに俺は一途な男やねん。あの理不尽なほどに優しくて正しい初恋相手をギャフンと振り向かせる条件がやっと整ってん。

    待っとって下さいよ。日向監督。
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    mainichi_ponpok

    DONE闇鍋参加させていただきます。R-18ではないです。
    ちょっと長くなったのと、セクシャルマイノリティのセンシティブな部分に触れてしまっている話になってしまったので、ぽいぴくでの投稿にさせていただきました。よろしくお願いします。
    強引な人「いい加減にして下さい。そのノリ面白くないですし、俺そういうの好きじゃないです。気持ち悪いです。」

     最高に調子が良くて気持ち良い勝利に終わった試合の後、更衣室で侑さんに俺の事が好きだと言われて返したのが冒頭の言葉だ。



     恋とか愛とかは難しくてよく分からない。ずっとバレーに夢中だった。男女共に友達は多かったけど、恋愛は20歳を過ぎた今でもしたことはない。でも高三になって背が170センチに届いたくらいの頃から告白をされる様になった。だいたい後輩の一年生。顔と名前が一致しない人と恋人になんてなれないし全部お断りしてたけど、俺より小さくて年下の女の子から好きだと告白されたりバレンタインにチョコを貰ったりすると一晩はその子の事が頭から離れなかった。それからは自分がそういう対象で見られる事もあるんだって意識する様になった。そしてブラジルに行くともっとそれが顕著になっていった。流石に女の人じゃなくて男の人からの方が多くなったのは自分でもびっくりした。でもブラジルは同性婚も認められてるくらいの国だもんなって特に深くは考えなかった。だけど、配達のバイトのお客さんと意気投合してそのまま家に誘われて、ベットに押し倒されそうになって間一髪で逃げおおせた時は本気で怖くて、帰った後ホッとして情けないけどちょっと泣いた。
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