蒼に囚われる ふと、先生のいつもかけてるそれが気になった。
「見えすぎないようにかけてるんですよね」
「これ?まあ僕の場合は、特殊だけどね」
「特殊?」
「かけてみなよ」
手渡されたサングラス。お洒落には疎いのでどういう型なのかは知らない。横に少し長く、四角い形をしている。きっと高級なんだろう。少しドキドキしながらかけてみる。驚いた、ほとんど何も見えない。それはほぼ漆黒で、光さえも通さなかった。
「いつも、こんな視界なんですか?」
「いや、僕の目はそれでも見えすぎるぐらいなんだよね」
サングラスを下にずらすと、目の横をとんとんと指で叩いてる姿と、キラキラと煌めく先生の蒼い目が見えた。
「不思議だなあ」
かけ直してみたけど、やはり何も見えない。呪力で感知してるわけでもなく、本当に何でも見えているんだ。
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