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    キラライ

    自創作の過去絵まとめたり
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    キラライ

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    フォーチュンドール本編35

    フォーチュンドール5章7話「この世界に来るのも久しぶりだなぁ…」

    くすんだ黄色い長いはねっ毛の髪にワークキャップをかぶり、あごには髭、トラ柄のシャツにジャケット、黒いズボンにロングブーツをはいた男は、片手に大きな剣を持ちながら魔物の死体を蹴った。その男に話しかけるのはアホ毛のある緑の髪に短めのポンチョ、へそ出しのスタイルで左腕にはタトゥー、赤い羽根の首飾りをつけた男。先程の男よりは若く見える。

    「瀬津さんはこの世界の出身だったか?」
    「あぁ、ここ数年ですっかり変り果てちまったけどな。」
    「随分、魔物が出てるみたいだね。昔からこうだったのか?」
    「いや、そもそもこの世界では魔法も気功も剣術も隠れていたものだ。この先の貝森特区という場所では、それらが一般的なようだ。」
    「へぇ、そんなところに魔物が増えたのか。」
    「まぁ、何が来ようともぶっ殺すまでだが。」
    「瀬津さんは相変わらず物騒だね。共存っていう道はないの?僕はどの世界でも分かり合える世界にしていきたいよ。あの世界はだめだったからね。」

    魔物を見つけては次々と倒していく瀬津来我(せづらいが)という男。彼は幼少期に父親と同族である鬼に母親を殺され、魔物を毛嫌いして育ってきた。そのため魔物には容赦がない。そんな瀬津を見て呆れたような顔をするもう一人の男、漣疾風(さざなみはやて)は幼少期に父親と同じ一族の男に母親を殺され、共存のできる世界を目指している。瀬津を見ると母の仇を思い出すこともあるようだ。そんな2人が所属している魔物ハンター組織はほとんどが魔物のハーフであり、意見は食い違うがどこか似ているこの2人にタッグを組ませて行動させている。魔物ハンターの目的は世界の安定であり、幾多の世界を巡り歩いている。疾風もまた異世界の者である。彼らのリーダーはフェンリルとハイエルフのハーフであり、温厚な性格で異世界を渡りための歩く力を持っている。そして、2人が貝森特区に向かっている最中、とある村を訪れた。ここで休息をとる予定であったが、この村でも魔物が襲い掛かってきたのだった。その魔物はある一軒の家を襲い、そこへ二人は向った。中にいた老夫妻が襲われており、瀬津が魔物を倒し、漣が老夫妻を介抱すると、老夫妻は奥の部屋に隠した女の子を連れて行ってほしいという。そこには赤い髪で小学生くらいの女の子がおり、老夫妻は後先が長くないことを考えるとこの子のことが心配だというのだ。2人はリーダーに相談し、一ノ瀬天音(いちのせあまね)を連れていくことになった。しかし、見知らぬ男たちに連れていかれる天音は涙を流し、怖がっている。また魔物が出てくるのが怖いのか、それとも自分たちが怖いのかは分からなかったが、とある店に行き瀬津は緑色のヘアピンを買い、天音の前髪に付ける。

    「顔見せてみろ、そんなんじゃ可愛い顔が台無しだぞ。」

    漣は瀬津が天音に対して少し甘いように見えた。それは天音が普通の人間だからだろうと考えている。天音が瀬津と目を合わせると、しゃがんでいる瀬津の胸元に顔を埋めた。それから数日、貝森特区に足を踏み入れたころ、2人はまず貝森特区の事を知ろうといろいろ調査をしていた矢先、魔物が複数体現れた。数に負けそうになる瀬津と得意の風魔法で対応する漣。何とか魔物を蹴散らすと、その群れの中に赤くて小さなドラゴンが現れた。それでも瀬津は容赦なくそいつを殺そうと、剣を振りかざす。それを漣は止め、ドラゴンを庇った。

    「瀬津さん、よく見て…この鱗…」

    瀬津がドラゴンをよく見ると赤い鱗の中に緑色の鱗が紛れ込んでいることが分かった。そう、このドラゴンは天音であったのだ。天音がドラゴンであったことに驚く2人であったが、瀬津が天音に手を伸ばすと、天音は人間の姿に戻った。にぱっと笑う天音であったが瀬津の心境は複雑なようであった。一方で漣はこれを機に瀬津が今までのバーサーカー状態よりは随分丸くなったと思うようになっていた。

    夜は家で澪と話していた。真昼が澪にお茶を出すと、またどっさりと菓子折りを机に置いた。話題は夜と真昼の姉である朝についてだった。朝は剣術に長けており、いつも夜の練習相手であった。そんな朝はとても強いが「男は女より強くあれ」と夜を育てた。夜はいつか朝を超えようと毎日努力したのだという。

    「いつかねーちゃんに勝ちたかったな。」
    「そんなに強い姉さんだったんだな。」
    「なんていうか、姉ちゃんは同時に弟は自分の好みに育てるって言ったのよね~。自分より強い人が好みって言ったけど。」
    「まぁ年下のきょうだいというものはかわいいもんだろう?」
    「わかる~、雫ちゃんかわいいわよね?」
    「あぁ、かわいいさ、自慢の妹だからな。」
    「お、おう…」

    雫のことに話題が変わろうとした瞬間、夜の携帯に着信があった。夜が内容を確認すると、にやりと笑いガッツポーズをする。澪がどうしたのかと聞くと、夜はテンションをあげて言った。

    「姉ちゃんを超えることは出来なかったけど、超える証明になる人間がいるんだ。俺のあこがれの存在でな。あいつは姉ちゃんに勝つことができたんだ。だからあいつを倒せば姉ちゃんを超えたことになる!」
    「ほう、そんなに強い相手から何か連絡が来たのか?」
    「あぁ、しばらく離れたところに行くって言ってたけど、この貝森特区に用があってしばらくいるらしいんだ!瀬津さんって人なんだ!」

    澪は全く聞きなれない名前に想像がつかず、とりあえず強いって事しか頭に入らなかったが、夜が楽しそうで何よりであった。真昼は瀬津さんについてはあまりいい印象はもっていないようで、髪の色からトマトと言われたことがあるらしい。澪は失礼ながら少し笑ってしまうが、愛情込めると赤くなるってことかと冗談を言うと真昼は顔を赤くした。

    「じゃあ、もっと愛情がほしいなぁ~。」

    そういって真昼は澪に寄りかかった。澪は少し動揺したが、夜は冷めた目で真昼を見た。真昼がお菓子を一つ手に取り、澪にあーんする。澪は口を開けると、お菓子を口に押し込まれた。夜はここにいるのが場違いだと思い、瀬津にメールを返信しながら自室に行くのであった。

    つづく
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    キラライ

    TRAININGフォーチュンドール本編37
    フォーチュンドール5章9話ドクターが幸の魔力強化をしようとしたが、魔導書の能力がドクターの魔力を吸い取り、巨大なクジラの魔物と化した。ドクターは逃げ出し、幸も気絶している状況で将信たちはクジラの魔物と戦うことになった。将信は幸を守るため、ひとまず地属性魔法で幸の周りを囲う。将信は室内戦があまり得意ではない旨をクランたちに伝えるとクランはここは任せてくれといい、光の弾を宙に浮かせ、魔物の周りで爆発させた。しかし、その爆発をの魔物は大きな口を開けて吸い込み、その後に咆哮をした。クランたちは何とか持ちこたえる。零子が後ろにまわり剣を投げ、雨は念力で宙に浮き、魔物の上に乗っかり拳で思いっきり殴りかかる。すると、魔物は大きく尻尾を動かし、零子は上手くよける。そしてクジラ型の魔物であるために潮吹き攻撃をする。ちょうど雨のいる足元から光が当たると虹色になる白濁とした液体が吹き出し、雨に直撃する。雨に纏わりつくその液体は次第に凝固していき、雨は上手く身動きが取れなくなり、下まで落ちてしまう。それをクランがキャッチしに行き、ダメージを抑えることができた。零子も雨を心配し、そちらに行く。
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    キラライ

    TRAININGフォーチュンドール本編36
    フォーチュンドール5章8話幸、唯、雫の3人はカフェで女子会をして楽しんだ。しかし、幸の様子が何かいつもとは違うように唯は感じた。幸に調子が悪いのか聞くと、何でもないというが明らかに表情は険しかった。雫も唯に言われて幸の表情を見る。幸は二人の視線が鬱陶しいのか早歩きをして、2人の前を歩くようにした。唯が何かしたなら謝ると言い、幸に手を伸ばすと、幸はその手を振りほどき、唯にビンタをした。雫は動揺し、幸の腕をつかみ揺さぶると、幸は雫を突き飛ばす。唯が幸の名を呼ぶと、幸は我に返り、何が起きたのかわからず、頭を抱える。

    「幸さん?どうしたんですか?本当に幸さん?」
    「わからない…今私は何を?」

    「っていうことがあったんですよ。」

    唯と雫は昨日の幸の事を凛太郎に話した。凛太郎は幸が魔導書を読んでいるという話を聞いていたので、それは魔導書の副作用のようなものではないかという。実際に凛太郎も魔導書を読んだ時に常に空腹を覚えていたので、魔導書の有害性を2人に話した。雫はぎょっとして、幸の性格が治らなかったらと心配した。唯が凛太郎の魔導書の能力がなくなった時はどうしたかを聞くと、魔女たちに捕まっていろいろされたというのだ。そして、魔導書の能力を本に戻す魔女は今は眠っていると聞いているので、他に案はないだろうかと考えていると、そこに信楽が現れた。信楽にも幸の話をすると、ちょうどいい機会だと雫に魔女の集会場に行ってみることを提案する。しかし、凛太郎はあまり乗り気ではなく、また魔女たちに何かされると考えると恐怖でしかなかった。そのため、雫と信楽で魔女の集会場へ行くことになった。と言っても信楽は場所を案内しただけで、あとのことは雫1人に任せたのだった。一人ぼっちになった雫は戸惑った。これなら唯ちゃんも連れてきたら心強かったなぁと思うが、せめてこの場所を一通り覚えようと見て周っていた。どこがどういった場所か聞こうにも、知り合いの魔女がほかにいるわけでもなく、話しかけるのも難しいと思っているし、さらに言えば他の魔女たちに怪しい視線で睨まれているような気がして、怖くなってきた。そんなところに、博士のような帽子に袖の長い白衣、ぐるぐる眼鏡をかけた女性が話しかけてきた。
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