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    流菜🍇🐥

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    TF主ルチ。TF主くんがYesNo枕を用意してみる話です。えっちな展開にはなりません。

    ##TF主ルチ

    YesNo枕 通販で、YesNo枕というものを買った。
     自分でも、弁明ができないことなのは分かっている。僕たちはまだ付き合ったばかりで、そういうことも何回かはしてるけど、こんな、はっきり誘うような関係にはなってないのだ。ルチアーノは怒るかもしれないし、それこそ枕で殴られるかもしれない。
     でも、良い考えだと思ったのだ。ルチアーノは素直になることが苦手で、『Yes』を伝えるのにも苦労している。ルチアーノの嫌がることはしたくないから、いつもは僕から聞いて許可をもらうのだけど、わざわざ言葉にさせる行為も、恥ずかしい思いをさせてしまうだろう。
     そんなこともあって、買ってしまった。正直に言うと、僕は浮かれていたのだ。初めての恋人という存在に。
     今、ルチアーノはお風呂に入っている。彼が出てきたら、今度は僕の番だ。枕を置いておくなら、今しかなかった。
     僕は自分の部屋へと向かうと、クローゼットを開けた。隅には、ビニールに包まれたままの枕が隠すように置かれている。そっと持ち上げると、ガサガサと音を立てながら袋から引っ張り出した。
     お風呂から上がったルチアーノは、僕を呼びにリビングに来るはずだ。先に支度を済ませておけば、ルチアーノが僕の部屋を覗く前に風呂場に移動することができる。後は、お風呂上がりにルチアーノの反応を見るだけだ。
     僕の部屋のベッドには、枕が二つ置かれている。僕が昔から使っていた年期の入った枕と、ルチアーノのために新しく購入した真っ白な枕だ。新しい方の枕を下によけると、買ったばかりの枕とすり替えた。布団を被せ、半分くらい隠しておく。
     ドキドキしながらリビングで待機していると、ルチアーノが入ってきた。僕の方に視線を向けて言う。
    「上がったよ」
    「ありがとう。じゃあ、行ってくるね」
     不自然にならないように注意して答えると、入れ替わりで風呂場へと向かう。服を脱いで、浴室へと入った。
     今頃、ルチアーノはベッドを見ているだろうか。あの枕を見て、どんな反応をしているのだろう。考えるだけで、心臓がドクドクとなってしまう。
     気になってしまって、あまり長く浸かれなかった。いつもより短い時間で湯船から上がる。
     身体を拭いて服を着ると、心臓の鼓動を抑えながら自分の部屋へと向かった。
     ルチアーノはベッドの上にいた。布団の上に寝転がって、手元を見ている。
     例の枕は、ルチアーノの腕の下にあった。Yesの面を上にして、肘をついている。どうやら、肘置きにされているようだった。
    「なんだ、もう出てきたのかよ。せっかちだな」
     チラリと僕の方を見て、平然とした顔で言う。枕のことには、少しも触れてくれなかった。
    「ルチアーノ、枕が新しくなってるんだけど、気づいた?」
     仕方なく、自分から声をかける。僕がベッドに腰をかけると、彼は怪訝そうな顔をして見上げた。
    「枕? この変な柄の枕が、どうかしたのかい?」
     想定外の反応だった。彼は、YesNo枕というものを知らないのだ。膨大な知識を誇るアンドロイドでも、俗世のことは知らないのかもしれない。
    「なんでも、ないよ」
     さすがに、言えなかった。こんな純粋な反応をされたら、何も言えない。むしろ、反応を期待していた自分が恥ずかしくなる。
    「なんだよ。変なやつ」
     そう言って、ルチアーノは手元に視線を戻した。そこには、僕が置きっぱなしにしていたデュエル雑誌があった。誤魔化しているようには見えない。本当に気づいてないみたいだ。
     すっかり、説明のタイミングを逃してしまった。この枕は、夜のお誘いをするときに使うものなのだと、どうやって伝えたら良いのだろう。
     これは、不健全なことをしようとした罰なのだろうか。自分の浅はかさを、少しだけ後悔した。
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    和花🌼

    DONE夏祭りワードパレットを使用したリクエスト
    7 原作
    ・帰り道
    ・歩調を落として
    ・特別
    ・あっという間
    ・忘れられない

    暑苦しいほど仲良しな二人を楽しんでいただけたら嬉しいです。
    夏祭り 7(原作) 夏祭りといえば浴衣を着て、友人や家族、それに恋人なんかと団扇で顔を仰ぎつつ、露店を横目で見ながら、そぞろ歩きするのが醍醐味というものだ。それに花火も加われば、もう言うことはない。
     だが、それは祭りに客として参加している場合は、である。
     出店の営業を終え、銀時が借りてきたライトバンを運転して依頼主のところに売り上げ金や余った品を届け、やっと三人揃って万事屋の玄関先に辿り着いた時には、神楽はもう半分寝ていたし、新八も玄関の上がり框の段差分も足を上げたくないといった様子で神楽の隣に突っ伏した。そんな二人に「せめて部屋に入んな」と声をかけた銀時の声にも疲れが滲む。暑いなか、ずっと外にいたのだ。それだけでも疲れるというのに、出店していた位置が良かったのか、今日は客が絶え間なく訪れ、目がまわるような忙しさだった。実際のところ、目が回るような感覚になったのは、暑さと疲労のせいだったのだが、そんな事を冷静に考えている暇もなかった。
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