宇宙人 ルチアーノがお風呂に向かうと、そこからは僕一人の時間だ。彼が部屋を開けているこの一時間だけは、僕も気兼ねなく好きなことをできるのだ。普段ならからかわれるようなゲームだって、この時間であれば笑われることがない。積んでいたカードの整理を始めても、退屈だと文句を言われることがないのだ。
とはいえ、僕も忙しいわけではないから、毎日のように目的があるわけではない。何もやることが思いつかない日は、リビングの椅子に座ってテレビを見ていた。一時間という時間は長いようであって、過ぎてしまえば妙に短い。ぼんやりとテレビを見ていれば、すぐに呼ばれる時間になってしまうのだ。
手早く夕食の片付けをしてから、僕はソファに腰を下ろす。転がっていたリモコンを手に取ると、適当にチャンネルをザッピングした。テレビには番組表という便利機能がついているが、僕はあまり使わない。番組の真の面白さは、実際に見てみないと分からないのだ。
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