猫の喧嘩は犬も食わぬ ネオン賑わう夜の繁華街。バーの一角に、酒を手に睨み合う二人の男がいた。
「絶対サニーの方がいい彼氏だよ!」
「いいや、ふーふーちゃんが一番」
お互いの彼氏を自慢し合うアルバーンと浮奇は取り止めもない話から、どちらの彼氏がより良い彼氏か、話し合いを始めた。
側から見れば、自分の恋人が一番に決まっているのだから、この話し合いに終着点などないのだが、冷静さを欠いたほろ酔い気分の二人を止めるものは居なかった。
よってどちらの彼氏がより良い彼氏か、という論争の火蓋がここに切って落とされた。
「そもそも浮奇はファルガーのどこが好きなの?」
「あんなに魅力で溢れた人のいいところを一つに絞るなんてできないけど、強いて言うなら…」
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