友だち以上、添い寝未満「随分とひどい顔だな」
意図せず公安本部で鉢合わせ、挨拶すら吹っ飛ばして開口一番に飛び出したその言葉に、ホークスは肩を竦めて笑ってしまった。
遠慮なんて微塵もないエンデヴァーの物言いは、自分にとってむしろ心地が良い。もちろん、そんなことは当の本人に言えるはずもないけれど。
「忙しかろうが睡眠時間はきちんと取れと言ったろう」
「気づいちゃいました? さすがだなぁ」
「顔色は悪いし覇気もない」
「いつもとそんなに変わんないですって」
けれどヘラヘラとした態度の誤魔化しは効果もなく、エンデヴァーの顔はますます険しくなっていった。
ホークスが表舞台から退いて、本格的に公安を主軸とした仕事へと変わっても、ヒーローとして活動していた時と多忙さはそう変わらなかった。
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