そのうちワンって鳴くかもねソファでのんびりと雑誌を広げていたら旬がいつの間にか帰ってきていた
無視して雑誌に集中していたらドカリと隙間無く隣に座り全体重を使ってシュンにもたれ掛かり、無言で訴えて来る
「しゅ…」
「邪魔」
旬の言葉を遮る
冷たい拒絶に旬は身体を引き剥がし、シュンに必死に言い訳をしようとする
「、その…」
「…なに犬畜生が普通にしゃべるの?」
人語話すとか…気持ちわる
嫌悪を隠さずに吐き出せば、犬が戦慄いた後口を噤ぎ顔を伏せる
それでも構って欲しいのか、シュンの足の間に座り、内腿に頭を擦り付け恐る恐るシュンを見上げてくる姿に笑いが込み上げる
敵無しのS級様がめげずに許容ラインを探っているのだ、面白くてしょうがない
「ん、なぁに?」
微笑んで旬の頭を撫でてやれば、気持ちが逸ったのか身を乗り出して来た
「あ?」
たった一言、それだけでビクリと身体を硬直させ大人しく座り直す旬にいい子だねと両手で髪を撫で回す
旬はじっと動かずにただシュンの手を享受していた、覚えるのが早くて助かるよ