狐星華とEMA「なんだよそれ…耳…だよな…?」
「あー…そうだね、まあアンタにも似たようなの生えてるし」
「それとこれとは話が違うだろ…星華って人間だよな…?でも尻尾も生えてるし…」
「異能の影響じゃないかな…わかんないけど、多分なんとかなる」
「そんな適当でいいのかよ…星華」
「そんな大したことないでしょ、狐っぽい耳と尻尾生えてるだけで」
「狐…狐か…」
「ん?どうしたの?エマ」
「いや、なんでもないんだ…」
「そう…」
「というかそれ、結構身体に違和感あると思うんだが」
「まあそうだね、ちょっと変な感じはするかも、耳は周りの音拾いすぎるし尻尾とか毛量おおくてちょっと重いし…これ、エマとは全然違う耳と尻尾だよね」
「そりゃ狐と猫だぞ?全然違うに決まってるだろ」
「そうだね…でも、エマも普段からこれくらいたくさんの音拾ってるのかなとは思うよ、結構うるさいよねこれ」
「俺は造られたときからこうだったから特に普段からうるさいと思ったことはないな…」
「そうか…これうるさいけど便利なのも確かなんだよね…遠くの話声も聞こえるし」
「…その耳で聞こえなくてもいい音まで聞かないようにずっと耳を立てるのはやめておけよ?」
「聞こえなくてもいい音…?」
「あ…すまん、さっきから変なことばっかり…」
「でもこれってアンタなりに心配してくれてるんでしょ?狐だしもしかしたら元の姿に化けれるかもしれないし、ちょっと気を付けてはおくよ」
「化けるって…お前さ…元々そんなの生えてなかったんだから…」
「…わかってるって」
「ならいいんだが…」
「まあどうやるかはわかんないけど、とりあえずやってみよう」
「…?あれ…?できてる…な…」
「ん?あ…思ってたより結構簡単に出し入れできるんだこれ…」
「あんまりやってると疲れるとかありそうだし頻繁に出し入れとかしない方がいいと思うぞ…」
「…それもそうだね」
「にしても本当に本物そっくりだなそれ…」
「…触ってみる?」
「え…?」
「いつもアンタを撫でたりしてるからさ、感覚みたいなのワタシも知りたくて」
「…そんなのお前のお兄さんとやらにやってもらえばいいんじゃないか?」
「…エマ、もしかして嫌なの?」
「いや、嫌なわけじゃなくて…ほらよ、これでいいんだろ」
「っ!…ぅ…あれ…これ…」
「結構敏感だろ、そこ」
「ねえ、アンタってさ…ずっとこんな過敏な耳とか触らせてたの…?」
「慣れだよこれも、俺だって最初はびっくりしたし」
「そ…そう…アンタって結構慣れてることが多いんだね…」
「な…なあ、星華、大丈夫か…?」
「だ、大丈夫…だから…ちょっと落ち着かせて…」
「はじめてかもしれない、星華がこんな風にしてるところ、普段はずっと余裕って感じするし」
「そりゃ普段はね…」